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みずほ銀行、コスモエネルギーホールディングスに対して、100億円のサステナビリティ・リンク・ローンをアレンジ。地銀19行が融資(RIEF)

2020-03-31 13:46:53

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 みずほ銀行は、石油化学事業のコスモエネルギーホールディングスに対して、シンジケート方式で100億円のサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)の提供をアレンジした。同ローンは借り手のESG戦略と連携したサステナビリティ目標を設定し、目標達成ができない場合は貸出金利を引き上げる等の条件が付く。コスモの場合、風力発電事業の新規建設件数等が条件。SLLは借り手のサステナビリティ活動を支援するファイナンス方式として欧州等で増えている。

 

 みずほ銀が、国内市場でSLLのアレンジャーに就任したのは今回が初めて。ローンが目安とするサステナビリティ目標は、①風力発電所の新規運転開始件数目標②風力発電所利用可能率ーーを設定している。SLLはその目標達成に応じて金利条件が変動するインセンティブが付与される。

 

 みずほがアレンジャーを務めるほか、三菱UFJ銀行が共同アレンジャー、三井住友銀行がジョイントアレンジャーで参画する。シンジケート団には、横浜銀行、千葉興業銀行、京都銀行など地方銀行19行が参加する。日本格付研究所(JCR)が、国際的なローン・マーケット・アソシエーション(LMA)等が定めたSLL原則への適合性等の第三者意見を付与した。

 

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 コスモエネルギーは本業が石油化学事業だが、風力発電事業にも力を入れており、2018年11月にはユーロ円建て新株予約権付社債(転換社債:CB)を600億円分発行し、そのうち過半の490億円を風力発電事業の建設に充当する資金調達も実施している。残りの調達分は、本業の石油化学事業に充当したが、省エネ等の推進にも使った。https://rief-jp.org/ct4/84795?ctid=72

 

 また第6次連結中期経営計画「Oil & New」では、再エネ事業を新たな収益の柱と位置付けている。陸上風力発電の拡大に加え、洋上風力発電プロジェクトへの参画なども視野に入れた長期的な事業拡大を目指している。連結中期CSR計画では、温室効果ガス排出量の削減を掲げており、再エネ事業を推進することでCO2排出量削減に貢献していく、としている。

 

 みずほ銀は、グループとしてサステナビリティへの取り組みについて戦略との一体性を高める政策を推進しており、今回のSLLのアレンジは、その一環としている。

https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20200331release_jp.pdf

https://ceh.cosmo-oil.co.jp/press/p_200331/index.html