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三井住友フィナンシャルグループ、「サステナビリティ宣言」。今後10年間でグリーンファイナンス額を10兆円実行へ。貸出残高の13%をグリーン化。CO2排出量も30%削減(RIEF)

2020-04-02 07:57:39

SMBC113キャプチャ

 

 三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)は1日、「SMBCグループ サステナビリティ宣言」を公表した。2020年度から29年度までの10年間で総額10兆円のグリーンファイナンスの実行を目標とするほか、傘下の三井住友銀行の事業活動から生じるCO2排出量を29年度までに30%削減(18年度比)とするなどのKPI(主要業績指標)を掲げた。日本の銀行で10年後のグリーンファイナンス目標額を設定したのは初めて。

 

 SMBCは今回の宣言について、世界は様々な社会的課題に直面しているほか、世界規模での環境問題が深刻化しており、こうした問題解決のために国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成や、ESGへの関心が高まっているとの現状認識を示している。こうした背景を踏まえて、会社としての姿勢を明確にするため、経営理念に「社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する」との文言を追加した。

 

SMBC115キャプチャ

 

 経営理念の改定に合わせて、持続可能な社会の実現を目指すSMBCグループの基本姿勢として、今回の「サステナビリティ宣言」を位置付けた。同宣言に基づき、今後10年間の活動目標を示す「SMBC Group Green × Globe 2030」と題した計画を策定した。

 

 同計画の長期目標として、「サステナビリティの実現に向けた顧客・社会への取り組み」のKPIを3つ、「サステナビリティ経営を支える社内の取り組み」のKPIを2つ掲げた。前者は①29年度までの10年間でのグリーンファイナンス10兆円②29年度までに金融経済教育等への参加者数約150万人③最低年1回、社会貢献活動に関する社会的インパクト評価の実施と結果の公表、を示した。

 

 後者については、①担当者、顧客のSDGs等の認知度や社会問題解決に関する対話の実行状況をアンケートで計測する②29年度までに三井住友銀行のCO2排出量を18年度比で30%削減する、をKPIとした。

 

SMBCグループの貸出金残高推移
SMBCグループの貸出金残高推移

 

 このうち、グリーンファイナンス10兆円の取り組み目標は、銀行のグリーン資産を増やすとともに、顧客の環境負荷軽減にも貢献することを目指すものだ。2019年9月期の同グループの貸出残高は76兆7000億円(内外合計)なので、その13%をグリーン資産化することになる。グリーンローンの供給やグリーンボンドへの投資増大等が想定される。

 

 CO2排出量削減目標は、温暖化対策としてはメーカーなどよりも排出量そのものが少ないことから、30%削減の影響は大きくはないとの見方もできる。だが、貸し手がCO2削減目標を明確に示すことで、借り手企業のCO2対策を後押しする期待もある。

https://www.smfg.co.jp/news/j110259_03.html