HOME8.温暖化・気候変動 |環境NGO、グリーンピースジャパン、三菱UFJフィナンシャル・グループに対して、新規石炭火力発電事業向けファイナンスの例外規定削除を要請(RIEF) |

環境NGO、グリーンピースジャパン、三菱UFJフィナンシャル・グループに対して、新規石炭火力発電事業向けファイナンスの例外規定削除を要請(RIEF)

2020-04-27 17:10:20

MUFGキャプチャ

 

  環境NGOのグリーンピース・ジャパンは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)に対して、昨年5月の「環境社会ポリシーフレームワーク」に盛り込んだ新規の石炭火力発電所向け投融資方針での「例外規定」の見直しを求める要請書を提出した。先に、みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループがそれぞれ新規石炭火力発電所へのファイナンスを原則取り止め方針を示したことを受け、MUFGにさらなる方針の明確化を求めた形だ。

 

 要請書はMUFGの亀澤宏規代表執行役社長兼グループCEOに対して送られた。

 

 MUFGが昨年5月に改定した環境社会ポリシーフレームワークでは、「新規の石炭火力発電所へのファイナンスは原則として実行しない」としている。しかし、「但し、当該国のエネルギー政策・事情等を踏まえ、OECD 公的輸出信用アレンジメントなど の国際的ガイドラインを参照し、他の実行可能な代替技術等を個別に検討した上で、ファイ ナンスを取り組む場合がある」と、例外規定を定めている。

 

 グリーンピースは「 あらゆるタイプの石炭火力発電所、炭鉱、その他の石炭インフラストラクチャーを含む、プロジェクトファイナンスを全面的に禁止し、この例外規定を見直す必要がある」として、同規定の削除を求めている。

 

 さらに、「同グループが現在、石炭関連企業との取引がある場合、それらの企業に働きかけ、パリ協定の目標に沿った明確な脱炭素戦略を提供するよう、対話を進めることが重要。 OECD諸国においては2030年までの脱石炭が求められている」として、顧客企業へのエンゲージメント活動の実施を求めた。そうした対応に企業が答えない場合は、「それ以上の金融サービスの提供は制限され、最終的に終了されるべき」と指摘している。

 

 MUFGと関係の深い米銀モルガンスタンレーは先に気候変動関連のファイナンス方針を改定し、新規の北極圏でのエネルギー開発へのファイナンスの停止の宣言に加えて、石炭火力発電事業向けのファイナンスでは、事業に占める石炭火力発電からの収入比率の高い企業に対しては、事業転換等を進めるエンゲージメント活動を展開すると宣言している。http://rief-jp.org/ct6/101843

 

 グリーンピースは、同様に、「石炭エネルギーに絡む収益または発電量が、当該企業の全体の収益や発電量に占める割合に制限を設け、その割合を徐々にゼロに近づけていくことにより(企業の事業転換の推進を)実現できる」と指摘している。

 

 こうした具体的な対応を求めるとともに、「気候変動の影響で、激しい熱波や台風、豪雨などが毎年のように発生する中、大量の温室効果ガスを排出する化石燃料関連企業への投融資を行う金融機関の決定は、将来の地球環境に対し、大きな影響力と責任がある」と金融機関としての責任をとるよう求めている。

 

https://storage.googleapis.com/planet4-japan-stateless/2020/04/ee3a69a4-final_20200424_mufg-letter_jpn.pdf

https://www.mufg.jp/dam/pressrelease/2019/pdf/news-20190515-001_ja.pdf