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滋賀銀行、国内地銀初の「サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)」を商品化。第一号として地元企業に5億円融資。目標を達成すると金利等を優遇(RIEF)

2020-09-18 13:00:01

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 滋賀銀行は国内の地銀として初めて「サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)」を商品化し、第一号として滋賀県内の企業に5億円を融資した。同ローンは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やESGに関する改善目標を設定し、それを達成した場合に、優遇金利を受けられる仕組み。

 (写真は、㊨山崎砂利商店の奥田貴光専務、㊧は滋賀銀の井上博喜本店営業部長)

第一号の企業は山﨑砂利商店(大津市)。同社は、事業として手掛ける汚染土壌リサイクル事業での「汚染土壌のリサイクル率の向上」を、サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)に設定した。同社が、目標を達成した場合に、金利等の融資条件が優遇される。

 滋賀銀のSLLの仕組みは、自社のESGに関する指標を立て、自ら計測できる企業を対象とする。目標とするSPTsは、グリーン事業には限定せず、広くサステナビリティ経営につながる目標設定を求める。融資額は5000万円以上、融資期間は限定しない。

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 SPTsの妥当性については、外部機関の格付投資情報センター(R&I)が、国際的なSLLの原則であるSLLPへの適応状況をセカンド・オピニオンとして付与する外部連携型と、滋賀銀グループの「しがぎん経済文化センター(KEIBUN)」がチェックする「KEIBUN連携型」を選択できる。KEIBUNは事業者のレポーティングも支援する。

 滋賀銀では以前、独自の手法でCO2排出量の削減等の環境項目に絞って企業が目標を立て、目標を達成した場合に優遇金利を提供する取り組みを実施した経緯がある。今回のSLLは環境以外にサステナビリティ経営支援を目標とするが、基本的に同じフレームワークといえる。

 SLLで設定するSPTsの例として、①温室効果ガス(GHG)の削減、再生可能エネルギーの生産量又は使用量②廃棄物処理におけるリサイクル率(循環経済)③持続可能な調達(検証済の持続可能な原材料利用の増加)④環境配慮型商品の販売量⑤その他ESGに関する指標、等をあげている。

 SPTs達成に伴う金利等の優遇条件については、目標の難易度等を考慮して、個別の融資ごとに決めるとしている。レポーティングは年1回。SPTs設定のストラクチャリング料は別途有料となる。

https://www.shigagin.com/news/topix/2221