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環境NGOの気候ネットワーク、6月のみずほFGでの気候関連株主提案への賛否投資家調査を公表。賛成票には、野村AM、ニッセイAMのほか、みずほ系のアセットマネジメントOneも(RIEF)

2020-09-25 13:58:22

Assetmanagementoneキャプチャ

 

 環境NGOの気候ネットワーク(KIKO)は6月25日の、みずほフィナンシャルグループの株主総会で、KIKOによる気候変動関連の株主提案に対する賛否結果の集計を発表した。提案は総会で否決されたが、集計によると、野村アセットマネジメント、ニッセイアセットマネジメントなどに加えて、みずほ系のアセットマネジメントOneも賛成したことがわかった。

 

 KIKOの提案には、議決権を有する株主の34.5%が賛成した。議決権行使助言会社大手のグラスルイス(Glass Lewis)とインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が賛成を推奨した。KIKOは今回、機関投資家の議決結果を公開情報から調査、これまでに結果が把握できた59機関・団体のうち、43機関・団体(系列会社による議決権更新の結果を含む)が提案に賛成、15機関・団体が反対、1機関・団体は分裂(賛否あり)だったとしている。

 

 賛成票は多くの海外投資家のほか、国内では野村アセットマネジメント、ニッセイアセットマネジメントのほか、農林中金全共連アセットマネジメント、アセットマネジメントOneの4社が賛成したことがわかったという。一方、三井住友トラスト・アセットマネジメントや日興アセットマネジメント、大和証券などは反対票を投じ、日本の株主の間でも判断が分かれた形だ。

 

 賛成票を投じたアセットマネジメントOneは2016年にDIAMアセットマネジメント、みずほ信託銀行(資産運用部門)、みずほ投信投資顧問、新光投信が統合して発足した。株主はみずほFGと第一生命HD。2016年の統合と同時に「責任投資部」を新設し、「パッシブ運用の観点からの中長期視点でのエンゲージメントと議決権行使を実施しながら、運用部門と協働し、ESGインテグレーションの中心的な役割を担っている」としている。

 

 KIKOは、議決で反対を表明した15機関・団体の中にも、気候変動問題の重要性を認識し賛意を示しながらも、「定款の一部変更」という方法であるために反対をしたところもあった、とみている。

 

 海外勢では、ブラック・ロックが反対だった。また株主提案が、TCFD提言に沿ってパリ協定の目標に整合した投融資を行う計画の開示を求めたのに対し、みずほFGが今年4月に「サステナビリティへの取り組み強化について」と、5月に「TCFDレポート2020」を相次いで発表したことを評価し、提案に反対した機関・団体もあったとしている。

 

 これらの調査結果から、KIKOは「今回の提案に対しては、日本の機関投資家の中でも少なからぬ支持があったことが確認され、国内においてもパリ協定に整合したESG投資の流れが強固になっていることを示している」と分析している。

 

 KIKOは、今回の第1次集計を踏まえ、みずほFGに対して引き続き投融資方針の強化を求めていくと同時に、株主提案の趣旨に理解を示す機関投資家および金融機関の関係者との対話を進めていく予定、としている。

https://www.kikonet.org/wp/wp-content/uploads/2020/09/Mizuho-resolution-report-1-JP_20200924.pdf