HOME |三菱UFJ銀行、マレーシアで邦銀初のイスラム金融でサステナビリティ・リンク・ファイナンス提供。味の素の現地子会社に約25億円分。2025年度までのGHG削減目標達成等が条件(RIEF) |

三菱UFJ銀行、マレーシアで邦銀初のイスラム金融でサステナビリティ・リンク・ファイナンス提供。味の素の現地子会社に約25億円分。2025年度までのGHG削減目標達成等が条件(RIEF)

2020-12-21 22:14:49

MUFG001キャプチャ

 

 三菱UFJ銀行はマレーシアの子会社を通じて、味の素の同地の子会社AJINOMOTO (MALAYSIA) BERHAD(AMB) に対し、イスラム金融でのサステナビリティ・リンク・ファイナンス(SLF)で1億マレーシア・リンギット(約25億円)を融資した。ファイナンスの目標には、①2025年度までの温室効果ガス(GHG)排出量削減目標の達成②マレーシア証券取引所認定の「ESGインデックス」の維持ーーを設定した。日本の金融機関がイスラム金融でSLFを提供するのは初めて。

 

 同ファイナンスは、MUFGのマレーシア現地法人のMUFGバンク(マレーシア)が提供した。同SLFは国際的な「サステナビリティ・リンク・ローン原則(SLLP)」に準拠する。MUFGバンクがファイナンスを通じて目標達成への取り組みの状況を毎年判定し、その結果に応じて取引条件を優遇する。

 

  味の素はグループとして、2020-2025中期経営計画で、2025年度までにGHG排出量を30%、2030年度までに50%削減(いずれも2018年度比)する目標を設定している。今回のAMBのSLF基準もそのうち、25年度目標の達成を条件の一つにしている。資金使途は、ハラル認証を取得したムスリム消費者を向けのハラル準拠製品を開発・生産する新工場向けとなる。

 

 MUFGバンクはマレーシアに進出し、現地ライセンスを得ている邦銀の中で唯一、マレーシアリンギット建てイスラム金融サービスを提供できる。MUFG バンク内に設置するイスラム法学者で構成するシャリア 委員会がイスラム金融の概要を審査する。

 

 マレーシアではムスリム人口が多く、イスラムの規範に則ったイスラム金融が浸透している。今回の融資では、AMB 社の事業活動を通じて排出される GHG削減目標をサステ ナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPT)として設定する。

 

 AMBはクアラルンプールに拠点を置き、現地で、うま味調味料の「味の素」、風味調味料「TUMIX」等の製造・販売を行っている。2019年度の売り上げは4億6200万マレーシア・リンギット(約116億円)。従業員約600人を抱える。MUFGバンクは現地で法人、個人両方を対象とした業務を展開しており、売上高4億5000万マレーシア・リンギット(約115億円)。

 

 MUFGは、「国内外でのノウハウを活かしながら、長期的な視点で顧客や社会と末永い関係を築き、共に持続的な成長を実現していきたい」とコメントしている。味の素は「マレーシアおよびASEANを中心とした周辺諸国への積極的な事業展開を通じ、新興国が牽引する市場成長への更なる貢献とロードマップを支えるオーガニック成長を目指す」としている。

 

https://www.bk.mufg.jp/houjin/info/pdf/ajinomoto_slf_seiyaku.pdf

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2020_12_15.html