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エクエーター(赤道)原則3次案公開を受け、国際環境NGOが意見表明の準備に入る(FGW)

2012-08-16 23:42:39

banktrack
国際プロジェクトファイナンスに伴う環境・人権影響を金融の視点で自主的に事前評価する「エクエーター(赤道)原則」の第三次改定案が公表されたことに伴い、同原則の活動をウォッチするために設立されている国際環境NGOのBankTrack(BT)は意見表明期間の60日の間に、ドラフト案への評価・注文等の取りまとめ作業に入った。

BTは、エクエーター原則の実施、運用が適正に行われているかを、NGOの立場からチェックする目的で世界の主要なNGOが設立したNGO。いわばNGOによるNGO。本部はオランダにある。

今回の原則改定案自体も、BTなどが従来の原則では、温暖化対応が弱い、プロジェクトにフォーカスしているが、参加事業者向け融資が対象外になっている、原則を適用したプロジェクトの情報開示、フォローアップが不十分、といった点を中心に、金融機関側が修正を加えているのが特徴だ。

BTでは参加NGOらの間で、BTとしての意見表明を60日以内に行うための作業を始めているが、これまでのBTの主張をいくつかの点で盛り込んでいる点を評価しながらも、特に、情報開示が不十分だとの認識が強いようだ。現行の原則では、原則適用対象(アセスメント、アクションプランの実施等)になったプロジェクトの名称の開示が義務付けられていないほか、環境・社会的影響のフォローアップが十分に開示されていない点が指摘されている。

直近でも、日本の3メガバンクも融資しているロシアのサハリンⅡプロジェクトの影響で、地域コミュニティに環境・人権問題が起きているが、これに対して投融資にかかわっている金融機関がどう対応しているかが不明、として、現地のNGOや支援の欧米NGOが批判活動を展開している。

国際NGOの間では、金融機関側に原則適用に伴う情報開示やフォローアップを十分に行うつもりがないようならば、NGO自体が監視機構としての機能を強めるべきだとの意見も根強くある。ドラフト案の情報開示レベルの向上が焦点の一つになりそうだ。(FGW)

bankTrackのサイト: http://www.banktrack.org/