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BankTrackがエクエーター原則Ⅲ案に対して声明、「温暖化対策の不足など、小さ過ぎる改革でしかない」(FGW)

2012-10-11 22:26:45

banktrack
国際的金融機関による大規模なプロジェクトファイナンスに伴う環境・社会的影響を監視している国際環境NGOのバンクトラック(BankTrack)は、銀行団が公表したエクエーター原則Ⅲのドラフト案に対する声明を発表した。国際的銀行団は,プロジェクトファイナンスに伴う環境・社会的影響を事前チェックする自主基準をまとめており、その改定作業を進めている。バンクトラックは、今回の改定に対して「小さな改定ステップで十分とは言えない、と批判している。

日本の3メガバンクを含む国際的金融機関で組織するエクエーター原則銀行団は、9月に第三次の原則改定案を打ち出した。個のドラフト案に沿ってバンクトラックをはじめ、ステークホルダーとのミーティング等を進めている。改定案は5つのポイントからなる。①銀行団の作業の透明性向上②原則対象となる事業で影響を受けるコミュニティやステークホルダーへの原則適用の説明責任の増大③原則自体の適用範囲の拡大④気候変動分野への対応⑤人権分野への適用拡大、である。

バンクトラックは、今回の改定案は現行(エクエーターⅡ)に比べて、原則の範囲や該当事業の情報開示などの点で、改善は図られようとしていることを認めながらも、原則が「sustainable finance」を推進していくリード役として求められる役割からすると、「小さな改善に過ぎず、求められるものよりもきわめて慎重なステップにとどまっている」と指摘している。

とりわけ、気候変動への対応が不足していルことに、その点がよく表れている。エクエーター原則は2003年に公表されたが、その第一次原則に基づいて実施された石油、ガス、石炭、石炭火力発電所等の開発事業の結果、気候変動はより影響を受けている。したがって、今回の改定には、そうした点を改善するため、原則対象となる事業については、GHG排出量レベルの明確な削減や気候変動全体への影響を緩和するよう求める措置が必要だ、としている。

BankTrackの気候変動エネルギーキャンペーン担当のYann Louvel氏は、「エクエーター原則署名の各銀行はその金融活動によって、我々の地球環境にシビアリスクをもたらしていることに目を向けないというのは驚きであり、大変残念なことだ。そうしたリスクは銀行自身の活動にも及ぶにもかかわらず。とりわけ、タールサンドや、石炭火力発電所、および北極海での資源開発競争などへのファイナンスを再考すべきだ」と指摘している。

英文版 http://financegreenwatch.org/?p=6241

 

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