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長崎五島列島・宇久島で 農業両立型の世界最大のメガソーラー建設合意 独フォトボルト社が京セラ、オリックスらと みずほ銀がプロジェクトFで1500億円調達へ(FGW)

2014-06-13 12:52:07

nagasakigotoキャプチャ
nagasakigotoキャプチャドイツのフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社(Photovolt Development PartnersGmbH、本社:ドイツ、社長:ピーター・ゲャルストマン、PVDP)は12日、京セラ、九電工、オリックス、みずほ銀行と合同で、長崎県佐世保市の五島列島にある宇久島で、世界最大級※1となる最大出力430MW のソーラーシェアリングの営農型太陽光発電事業の開始で基本合意した、と発表した。

同事業は、PVDPが2013年4月から、建設計画を地元と調整して進めてきた。太陽光発電による地球温暖化対策、離島である宇久島の経済活性化等を目指すものだが、土地を持つ農家との調整が課題となってきた。

 

そこで、農家から賃借する農地に支柱を立て、上部空間に太陽光発電設備を設置するとともに、農地でも牧草栽培などが可能なソーラーシェアリングの仕組みを取り入れることで、基本合意を取り付けることができた。これにより、農家は土地を太陽光発電に貸す賃貸料とともに、飼料用の牧草を育成することで一定の農業収入も確保できることになる。nagasakigoto2キャプチャ

 

PVDPの計画では、総投資額は1,500億円程度になる見込みで、2015 年度中の着工を目指す。事業用地として借りる土地面積は、合計で約630万㎡(東京ドーム約134個分)で、島全体の面積の約4分の1にもなる。年間発電電力量は約50万MWhの見込みで、一般家庭約13万8,800 世帯分※2の年間消費電力量に相当する。温暖化抑制効果として、年間約25万2,200t※3のCO2削減に匹敵するという。

 

使用する太陽電池は、京セラ製多結晶シリコン型の高出力モジュールを使い、430MW 分約172 万枚を設置する。発電した電力は、宇久島と本土との間に約60km の海底ケーブルを敷設し、九州電力に売電する。

 

事業スキームは、事業用地の交渉をおこなう宇久島メガソーラーパークサービス株式会社(UMSPS)が、島内の農地や耕作放棄地などを土地所有者から借り受け、発電事業のSPC(特別目的会社)であるテラソール合同会社に転貸する。同テラソールは、賃借農地に太陽光発電設備を建設し、事業運営をする。

 

またUMSPS は、テラソールからの営農支援金をベースに、畜産農家に農作業を委託し支援することで、島の主要産業である農業と発電事業の両面を支え、地域振興に寄与する計画を立てている。

 

九電工は事業設備の施工および保守・管理を担当。みずほ銀行は1500億円に及ぶ資金を調達するため、プロジェクトファイナンスの仕組みづくりを担当する。京セラ、九電工、オリックスの3社は、テラソールへ出資を検討している。nagasakigoto3キャプチャ

 

 

※1 営農型太陽光発電所において(2014年6月12日時点)

※2 1世帯当り3,600kWh/年で算出 出典:電気事業連合会「電力事情について」

※3 一般社団法人太陽光発電協会「表示に関する業界自主ルール」に基づいて算出

http://www.nikkan.co.jp/newrls/pdf/20140612-17.pdf