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国際協力機構(JICA) 中南米での省エネ・再エネ投資の国際ファンドに1000万㌦出資。日本企業の環境ビジネス支援にも(FGW)

2014-12-03 18:32:58

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JICAimages国際協力機構(JICA)は、中南米で省エネ事業や再生可能エネルギー事業に投融資するMGM Sustainable Energy Fund L.P.に、1000万㌦(約11億5000万円)を出資する。出資を通じ、エネルギー効率の高い日本企業の省エネ製品・技術の中南米市場への普及を促進する考えだ。

MGMファンドはJICA以外に、米州開発銀行(IDB〈MIF〉)、地球環境ファシリティ(GEF)、欧州投資銀行(EIB〈GEEREF〉)、ドイツ開発公社(DEG)などの国際機関・開発機関が出資、ファンド総額は約5000万㌦になる見込み。ファンドの投資期間は10年。同ファンドは主にメキシコ、コロンビア、中央アメリカ諸国、カリブ諸国等を対象に、省エネ事業や再生可能エネルギー事業等に出資し、各国のCO2削減を図る。

 

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世界銀行によると、経済成長が著しい中南米地域では、2030年の電力需要が現在の2倍以上(2008年比)になる見込み。こうした需要を石炭火力などに頼ると、CO2発生が増加、温暖化を促進しかねない。また温暖化の進行で同地域では、自然災害の多発、環境汚染等が増加している。このため電力需要の増大に対応しつつ、気候変動に配慮するには、2030年までに新規に約600TWhの再生可能エネルギーの導入が必要とされている。MGMファンドはこうした需要に対応する再エネ事業を促進するのが狙いだ。

 

同ファンドが投融資を行う省エネ事業としては、中南米各国の商業施設・ホテル・中小規模工場等に対して省エネ機器の利用を促すとともに、施設全体の省エネ化や、省エネ機器のリース事業の推進などが想定される。再エネ事業では、各国の実情に合わせて、比較的小規模な太陽光発電事業などが想定される。こうした対象事業には、日本企業が強みとする耐久性があり、エネルギー効率の高い技術(太陽光パネル、空調施設等)の活用が期待されるという。

 

またファンドの投資対象事業で日本企業の製品・システム等が採用されると、日本技術の「ショーウィンドー効果と」も期待される。すでにメキシコのカンクンにあるホテルの空調機器更新と廃熱利用を組み合わせた事業やコスタリカでの太陽光発電事業などへの投資が浮上しているという。投資事業で調達する省エネ・再エネ機器類では日本のナソニックやダイキン工業等が供給源候補になっているとの報道も出ている。中南米地域では、価格の安い中国製、韓国製の機器類が強い。だが、来年のCOP21で途上国を含めて温室効果ガスの削減が義務化されると、中南米は日本企業にとっても魅力的な環境ビジネス市場になるとの期待が高い。

http://www.jica.go.jp/press/2014/20141128_03.html