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日本版環境金融行動原則起草委員会の第五回会合、16日に(FGW)

2011-03-10 22:23:39

日本版の「環境金融行動原則」策定を目指す「第五回起草委員会」が、16日に開かれる。今回は、前回に引き続いて、行動原則の前文と総論についての議論を行うほか、各業態ごとに設定する予定のガイドラインの扱い方など今後の進め方についても議論をするとみられる。(*その後の地震の影響で会合は延期されています:3月15日現在)。

前回(第四回)会合では、取りまとめ案を作成する事務局側が、原則の範囲を「環境」から「サステナブル」に切り替えたことで、異論が続出した。(参照http://financegreenwatch.org/jp/?p=340)理念的には環境、社会、ガバナンスのESGを軸に据えたサステナビリティの追求は当然のことだ。だが、実際の金融現場でこれを原則(基本行動)として位置づけるとなると、生活困窮者向け融資、環境保全団体への保険の優遇などの要請が出かねない。こうした理念と実務面との整合性を、原則としてどう盛り込むのかが、今回の議論での最大のポイントとなる。

委員会にとって悩ましいのは、時間的制約もある。本委員会は金融界が自主的に実施している形をとっているが、実際はこれまでもいろんな形で環境省が関与してきているため、役所の事情で、できれば年度内で方向性を出したいところだ。ただ、前回から20日と数日しかたっていないため、前回の異論を「納得」に変える修正案をとりまとめることができるか、委員長の末吉竹二郎氏の手腕が試される。