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上関原発の建設問題で注目される中国電力の資金供給先のトップは日本政策投資銀行(FGW)

2011-03-11 13:17:27

中国電力が進めている山口県の上関(かみのせき)原子力発電所建設問題が関心を集めているので、本サイトでは、同電力と金融機関の関係をまとめてみた。中国電力への最大の長期資金提供元は日本政策投資銀行で、大口株主の三位に日本生命保険が名を連ねている。

上関原発問題は建設予定地の、同町長島に国指定の天然記念物で絶滅危惧種の冠海スズメやカラスバトが生息し、その生態系が影響を受ける問題のほか、隣接する祝島の集落の真正面(約3.5km)に原発が建設されることで、同島の住民が農水産物への放射能漏れ等の影響を懸念して反対運動をしている。また、反対派住民は建設地の付近に活断層が存在する可能性も問題視している。一方、上関町や地元商工会などは原発立地により交付される交付金、固定資産税収などによって、過疎化が進む町の財政安定につながると賛成している。

 中国電力は、エネルギーの安定供給性、環境保全、経済性という3つの加地の同時解決に向けたベストミックスの実現を掲げ、同辮髪はCO2削減の切り札にもなると主張している。中国電力は、電源設備構成比率に占める原子力の比率が8%(2009年度)で、全国平均の20%よりかなり低いことから、同原発の1,2号機建設で電源構成のバランス修正も目指している。

 中国電力との取引金融機関(2010年3月末)のうち、長期借入先は、日本政策投資銀行が1729億円で最も多い。次いで、住友生命589億円、日本生命517億円、明治安田生命412億円と生保会社が続き、全国共済農業協同組合277億円となっている。(中国電力の有価証券報告書参照 http://www.energia.co.jp/ir/ir13-h21.pdf

 大口株主はトップが財団法人山口県振興財団(13.34%)で、以下日本トラスティ・サービス信託銀行(7.67%)、日本生命(6.3%)、日本マスタートラスト信託銀行(4.16%)、みずほコーポレート銀行(1.56%)、中国電力株式投資会(1.56%)、第一生命保険(1.46%)、広島銀行(1.37%)、住友信託銀行(1.34%)、山陰合同銀行(1,1%)等となっている。このうち日本トラスティや日本マスタートラストは機関投資家、外資などの受け皿とみられる。

また中国電力が長期投資先として保有している株式(貸借対照表計上額)には、日本原燃(株)1000億円、みずほキャピタルインベストメンツ(50億円)、広島銀行42億円、住友信託銀行31億円、山口フィナンシャルグループ23億円等となっている。

 これらの中国電力関連の金融機関の中には、日本版環境金融行動原則起草委員会に参加している金融機関も複数存在する。(FGW)

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