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日本版環境金融行動原則起草委が、「21世紀金融行動原則」で合意(FGW)

2011-10-04 19:02:39

主要な金融機関で構成する日本版環境金融行動原則起草委員会は、4日、第七回の会合を開き、「持続可能な社会の形成に向けた金融鼓動原則(21世紀金融行動原則)」をまとめ、合意した。原則は「はじめに」「前文」につづいて、7項目からなっている。各金融機関にこの原則への署名を促すための「運営規程」も定めた。

7つの原則は次の通り。

1、自らが果たすべき責任と役割を認識し、予防的アプローチの視点も踏まえ、それぞれの事業を通じ持続可能な社会の形成に向けた最善の取り組みを推進する。

2、環境産業に代表される「持続可能な社会の形成に寄与する産業」の発展と競争力の向上に資する金融商品・サービスの開発・提供を通じ、持続可能なグローバル社会の形成に貢献する。

3、地域の振興と持続可能性の向上の視点に立ち、中小企業などの環境配慮や市民の環境意識の向上、災害への備えやコミュニティ活動をサポートする。

4、持続可能な社会の形成には、多様なステークホルダーが連携することが重要と認識s、かかる取組みに自ら参画するだけでなく主体的な役割を担うよう努める。

5、環境関連法規の遵守にとどまらず、省資源・省エネルギー等の環境負荷の軽減に積極的に取り組み、サプライヤーにも働き掛けるように努める。

6、社会の持続可能性を高める活動が経営的な課題であると認識するとともに、取り組みの情報開示に努める。

7、上記の取り組みを日常業務において積極的に実践するために、環境や社会の問題に対する自社の役職員の意識向上を図る。

「原則」と同時に、「預金・貸出・リース業務ガイドライン」「運用・証券・投資銀行業務ガイドライン」「保険業務ガイドライン」の3つの業務別ガイドラインを策定した。これらのガイドラインは原則署名の対象外ではあるが、署名金融機関は各自の事業に関するガイドラインを参考にして具体的な取り組みを実践するよう求められる。

「原則」に対する署名は、経営としての判断を問うものだけに、各金融機関は取締役会で承認、署名するという手順を経ると思われる。起草委員会での原則づくりに参加した各金融機関は事前にそうした準備を行っていると思われるが、起草委以外の金融機関はこれから原則の趣旨、署名に伴う実質的な義務・要請活動への対応力を試されることになる。

ただ、原則づくりの過程では、全銀協をはじめとする各業界団体も意見表明の形で半ばコミットしてきただけに、起草委関係金融機関が署名で先行すれば、「横並び」で署名が相次ぐ期待もある。もちろん、目的は署名ではなく、原則に沿った金融活動の実践であるが。(FGW)