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東芝  取引先金融機関90行以上に融資維持を要請。金融機関は“ガバナンスに瑕疵”ある企業向け融資継続の場合、説明責任を問われそうだ(各紙)

2015-07-25 18:49:10

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東芝は24日、不適切会計問題での第三者委員会の報告書公表を受け、取引金融機関向けの説明会を開いた。席上、東芝側は今回の問題を陳謝するとともに、現行の融資残高の維持を求めた。金融機関側は環境・社会・ガバナンス(ESG)評価のうち、東芝のG評価をどう扱うかが問われる。

 

 説明会には、三菱東京UFJ銀行などの大手メガバンクのほか、90以上の金融機関が出席した。席上、東芝の説明では、不適正会計の影響額は、2010年3月期~14年3月期決算の修正と、まだ発表していない15年3月期決算に織り込む分の合計で3千億円程度から最大で5千億円超まで膨らむ可能性があるという。

 

 東芝は金融機関と融資契約を結ぶ際に、公表している財務諸表などの正しさを証明する「表明保証」をしているが、今回の不祥事はこれにに反していた可能性がある。契約違反となることから、銀行側から融資の引き上げ、早期返済を求められるリスクがある。

 

 一方、CSR(企業の社会的責任)を重視する金融機関は、融資先企業の財務評価に加えて、当該企業のESG評価も行っている。こうした金融機関にとっては、財務評価が不適切だったことに加えて、東芝のガバナンス体制の不備をどう扱うかが問われる。

 

ただ、東芝と取引の多い三井住友銀行やみずほ銀行は、第三者委の報告書提出後、三井住友銀行は「報告書を踏まえ、適切に対応されることと思う。メーンバンクとして、引き続きしっかり支えていく」。みずほ銀行は「当社(東芝)の取り組みを見守りつつ、従来通り、メーン行として可能な限りサポートしていく」とのコメントを出している。両行とも、自社のCSRと東芝のガバナンス評価との整合性の説明は現時点ではしていない。

 

 東芝はコマーシャルペーパー(CP)の発行などの資金調達が従来より難しくなると予想されることから、主要取引行に融資枠の設定も求める方針という。

http://www.toshiba.co.jp/about/press/index_j.htm