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日本政策投資銀行とメガバンク等11金融機関 東京電力に追加融資2800億円供給で合意。新規融資には引き続き慎重姿勢(RIEF)

2015-08-05 22:59:37

tepcokessanキャプチャ

各紙の報道によると、日本政策投資銀行や3メガバンクなど金融機関11社は、福島第一原発事故を受けて社債発行による資金調達が事実上できない東京電力に対して、運転資金等に充当するための追加融資2800億円を今年度中に実行することで合意したという。

 東電の今年3月期決算によると、売上高にあたる営業収益は前期より3.7%増の3兆3341億円。営業費用は0.1%増の3兆508億円に抑えたため、営業利益は69.4%増の2833億円となった。電気料金の引き上げと内部の合理化の効果が出た形だ。

 

 ただ、今後は来年からの電力小売全面自由化の影響で、値上げにも限界がある。また、東電の構造的な収支改善のカギを握る新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働は新潟県の反対姿勢を崩せず、見通しが立っていない。このため、金融機関もさらなる融資については慎重な姿勢をとってきた。

 

 追加融資については、政投銀が全体の6割、他の10社が4割を融資する。現行の融資残高を踏まえた配分となる。東電は追加借り入れによる資金を運転資金などに充てる。メガバンクや生保、信託大手など11社は13年末にも合計5000億円の融資を決めており、それ以来の大型融資となる。

 

 金融機関の中には、東電向け融資を要注意債権に分類しているところもあるとみられるが、東電に対しては政府が賠償資金等を貸し付けていることもあり、事実上の政府保証付きとの評価がされているようだ。分類については金融庁も了承しているとみられる。

 

 2800億円の追加融資は東電が今年2月に公表した新総合特別事業計画(再建計画)の中で金融機関に要請していた。東電は当初3月中の合意を目指していたが、負担割合を巡り金融機関の間で交渉が難航していた。来年度以降の負担割合は改めて詰める。

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