損保ジャパン 第一生命 福島銀行 福島・南相馬市の「脱原発都市｣を支援。避難指示解除準備区域でのメガソーラー事業に出資（RIEF）
2015-08-07 14:54:46
損害保険ジャパン日本興亜、第一生命保険、福島銀行の3金融機関は、福島第一原子力発電所から20km圏内にある南相馬市の避難指示解除準備区域でのメガソーラー事業会社への出資(総額8億6000万円）を決めた。同地が所在する南相馬市は「脱原発都市｣を宣言しており、その象徴となるメガソーラー建設を支援する。
福島県北部の太平洋沿岸に位置する南相馬市は、東日本大震災で津波による甚大な被害を受けたうえに、福島第一原発の放射能汚染によって広い範囲が避難指示区域に指定されている。今回、そうした市の南部に広がる小高区の農地のうち避難指示解除準備区域の農地18.2haに2カ所のメガソーラーを建設する計画がまとまり、3金融機関も出資の形で参加する。
事業は2014年度に始まった「懸の森（かけのもり）太陽光発電事業」を通じて、合計で8.6MWのメガソーラーを建設する。1カ所は2016年3月に、もう1カ所は2018年12月に運転を開始する予定。年間の発電量は一般家庭の使用量に換算して2700世帯分で、南相馬市の2万3000世帯の1割強に相当する。
事業者は「懸の森太陽光発電合同会社」で、資本金は3金融機関が担当。損保ジャパン日本興亜と第一生命がそれぞれ4.2億円ずつ出資(比率各49%）、残りの2％分を地元の福島銀行が2000万円出資する。総事業費は約35億円にのぼるが、福島銀をはじめとする地元金融機関からの借り入れて対応する予定。
南相馬市は2015年3月に「脱原発都市」を宣言した。原子力に依存しない街づくりを推進中で、2030年までに再生可能エネルギーによる電力の自給率を100％に高める目標を掲げている。今回の発電所はその第一歩となる。今後も、太陽光と風力を中心に導入拡大策を展開していく予定だ。
http://www.sjnk.co.jp/~/media/SJNK/files/news/2015/20150803_2.pdf
Research Institute for Environmental Finance