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国際投資団体の緊急共同声明への日本勢の署名は、損保ジャパンだけ(FGW)

2011-10-20 16:48:03

先に、PRIなどに署名している機関投資家、投資団体が、気候変動対策の促進を各国政府や国際機関に要請する緊急共同声明を発表したが、声明に署名した285の投資家のうち、日本勢は、損保ジャパン一社だけだったことがわかった。先日まとめた日本版環境金融行動原則の起草委員会に名を連ね、胸を張っていた金融機関の大半が、署名を見送っており、日本の金融機関の“言行不一致”が鮮明になった形だ。

今回の緊急共同声明は、来月半ばに南アで開くCOP17を意識して、現下のユーロ危機などの国際情勢にもかかわらず、気候変動対策への積極的な対応を政府や国連等に求める内容となっている。

参照: http://financegreenwatch.org/jp/?p=5595

声明に賛同して署名した機関投資家等は、米CalPERSなどの欧米の有名年金基金のほか、HSBC Global Asset Managementなどの資産運用会社、銀行、保険など。運用資産総額は20兆㌦。日本勢はPRIには資産運用、資産保有合わせて19社が署名しているほか、UNEPFIにも3メガバンクや住友信託銀行など19社が署名している。

さらに、こうした国際的活動への署名だけでは、日本では地域金融機関等の署名が広がらないとして、メガバンクなどが中心になって1年がかりで「日本版環境金融行動起草委員会」を立ち上げ、今月初めに、日本版の「21世紀金融行動原則」をまとめあげたばかりである。

言わずもがなだが、これらの行動原則は、今回のように緊急声明などが必要な時に「迅速に行動すること」を世の中に宣言するものである。ところが、今回の国際声明に署名した日本勢は、PRI署名でも資産保有と資産運用の両面にコミットしている損保ジャパン1社だけだった。資産運用関係は野村アセットマネジメント、大和アセットマネジメントなど11社がPRIに署名しているが、どこも手をあげなかった。

こうした言行不一致ぶりでは、日本基準の「21世紀金融行動原則」の署名に名乗りを上げる金融機関も本当に出てくるのかどうか、危ぶまれる。(FGW)

参考:  http://financegreenwatch.org/jp/?p=5595

声明文:http://www.unpri.org/news/2011%20Investor%20Global%20Statement%20FINAL.pdf