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東京スター銀行 京都の京町家再生事業へ独自のファイナンス提供。文化伝承継承と経済的リターンの両立へ(RIEF)

2016-04-04 22:19:52

kyotomachiyaキャプチャ

 

 東京スター銀行は京都の古い街並みの整備を支援するため、京町家の再生事業に融資する取り組みを始めた。

 

 全国各地で地方創生事業を展開しているパシフィック・リノベーション・ジャパン合同会社(東京)と連携して、このほど、老朽化していた京町家2棟を半年かけて改装、一日一組限定の宿泊施設として再生する「再生ファイナンス」として数千万円を融資した。

 

 パシフィック社の呼びかけで、京都地場の鑑定士、建築士、オペレーターなどの“腕っこき”が集い、そこに東京スター銀がこれまで培ってきた、ホテルや旅館などへのファイナンスのノウハウを加える形で「京町家再生チーム」が編成された。

 

  京町家は京都らしい歴史ある街並みの象徴だ。だが、独自の建築技法に基づく構造などから、個人の所有者が現行の建築基準法を満たして建て替えるのは費用がかさみ容易ではないとされる。

 

 このため京都市の調査では、現存する京町家は約5万軒あるが、そのうち約10%が空き家になっている。また、老朽化が進んでおり、毎年2%程度ずつ減っているという。

 

 こうした京町家の価値については、通常の不動産評価の手法では評価しづらい。そこで、東京スター銀は不動産金融のノウハウを応用し、京町家の担保価値を見極める独自の基準を設けたという。

 

 京都の歴史的文化を継承するという社会的意義を踏まえ、京都らしい宿泊施設を提供することの経済的メリットを両立させる“ESGファイナンス”とも呼べそうだ。

https://www.tokyostarbank.co.jp/profile/pdf/160404.pdf