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日本の官民プロジェクトのインドネシア・バタン石炭火力発電建設計画 融資期限2ヶ月延長へ。住民らの反対運動に配慮か(RIEF)

2016-04-08 16:30:09

Batan6キャプチャ

 

 インドネシアでの報道によると、日本の国際協力銀行(JBIC)など官民協力の形で開発計画を進めているジャワ島中部でのバタン石炭火力発電事業の融資調達期限は、当初想定されていた今月6日から、2ヶ月ほど延期された模様。

 

 発電所からの電力を購入する国家電力会社のPerusahaan Listrik Negara (PLN) の幹部の話として、6日に予定されていた融資決定は2ヶ月ほど遅れるとの見通しになっているという。ロイターによると、PLNの調達部門の責任者のSupangkat Iwan Santoso氏は、その理由として、建設予定地の住民らが反対している土地収用問題と、電力を売却する際にどの通貨建てとするかなどをあげている。

 

 環境NGOのFOEなどの情報では、期限の前日の5日も、地元住民らが、事業者がフェンスで外周を囲った事業予定地の水田周辺で、500人以上が反対のために抗議行動をしたという。事業者のフェンスによって、事業予定地の約10%に相当する未売却の農地への農民のアクセスができなくなったことへの抗議だ。

 

 焦点のバタン石炭火力発電事業は、日本の電源開発(Jパワー)、伊藤忠商事、インドネシアのアダロ・パワーの3社が出資して設立したビマセナ・パワー・インドネシア(BPI)を事業主体として、ジャワ島中部のバタン州に1000MWの超々臨界圧方式の石炭火力発電を2 機建設し、PLNに25年の長期契約で売却する計画。

 

 JBICはBPIが融資調達する約27億㌦の60%にあたる約16億㌦を融資する計画だ。また民間銀行も1年間のつなぎ融資として、三井住友信託銀行、三菱東京UFJ銀行など、邦銀が中心になって総額2億7000万㌦を融資する予定になっている。

 

 バタン石炭火力問題については、先日、安部首相が核保安サミットに出席のため訪米したのを受け、米国のFOEなどの環境NGOが抗議行動を行なうなど、世界の石炭火力反対運動の象徴のひとつになっている。「日本イコール石炭火力推進国」のイメージを増幅する形となっていることから、今回の融資期限の延長は、日本側の判断が入った可能性がある。

http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/160406.html

http://af.reuters.com/article/energyOilNews/idAFJ9N0YX02J