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三菱UFJフィナンシャル・グループ 初の「グリーンTLACボンド」発行、正式発表。5億㌦。TLAC債全体では40億㌦に増額(RIEF)

2016-09-07 23:42:15

MUFG1キャプチャ

 

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は7日、  金融危機対策として銀行持ち株会社が発行するTLAC債(総損失吸収力債)を活用したグリーンボンド5億㌦の発行を発表した。「グリーンTLACボンド」の発行は国際的にも初めてとなる。

 

 発行条件は期間7年、利率は年2.527%。グリーンTLACボンドを含めたTLAC債全体の発行額は、投資家の需要が強いことから当初の30億㌦から10億㌦増やして40億㌦とした。

 

 TLAC債全体の内訳は5年固定利付債が15億㌦、5年変動利付債が10億㌦、7年固定利付債(グリーンボンド)が5億㌦、10年固定利付債が10億㌦となっている。払込日はいずれも9月13日。取扱い主幹事はモルガン・スタンレー、MUFGセキュリティーズアメリカが担当する。

 

 TLAC債は、金融安定理事会(FSB)が世界の巨大銀行(G-SIBs)を対象に、銀行に対するバーゼル自己規制資本に加えて、新たな資金調達を求める規制対応の債券。金融危機が生じた場合でも、公的資金に頼らず、各金融グループが自らTLAC債で調達した資金で対応する。

 

 日本では、三菱UFJのほか、三井住友、みずほの各メガバンクの持ち株会社が発行する。MUFGは今回、そのうちの一部を、資金使途を再生可能エネルギーなどのグリーン事業に限定したグリーンボンドとして発行した。

 

 米国債の現在の利回りは、5年物で年1.12%、10年物で1.53%(Bloomberg)なので、MUFGのグリーンTLAC債の利回り2.527%は”高利回り”といえる。利回りの高さは想定上、元本毀損リスクが他の債券より高くなることを反映したとみられる。

 

 MUFGは米欧市場では特に、ESG投資を重視する機関投資家が多いことから、今後もTLAC債の一定割合をグリーンTLACボンドとして発行していく方針という。

http://www.mufg.jp/