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西日本シティ銀行、九州活性化で設立した「QB第一号ファンド」初投資案件 九州大学現役学生の起業ベンチャーへプレ投資(RIEF)

2016-11-27 14:18:33

QBSキャプチャ

 

 西日本シティ銀行は、地域の事業会社等と共同で設立した「QB 第一号ファンド」の初のプレ投資案件として、九州大学の現役学生が立ち上げた風力発電のベンチャー企業に出資した。

 

 出資対象は「株式会社 日本風洞製作所」(代表取締役 ローン・ジョシュア)。ジョシュア氏は九州大学の現役学生で、高効率の風力発電機の開発のために起業したベンチャー企業。同社の開発技術は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から、今年度の「シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援助成金」に採択されている。

 


  西日本シティ銀行が出資したファンドは、九州大学の特定関連会社である「産学連携機構九州」と共同で設立 した QB キャピタル合同会社が運営する。ファンドは、九州の各大学の研究成果を活用した新産業の 創出による九州経済活性化を目的に設立された。

 

 今回のプレ投資は、事業化を目指すシーズ段階の技術に対する投資をいう。同行は、投資のメリットとして、①風力発電等の再生可能エネルギーの導入メリットを拡大②コスト・効率・起動性の 3 点で優れた風力発電機が可能③九州各大学の研究成果を活用したベンチャー支援で地域経済の活性化――などをあげている。

 

  日本風洞製作所は、ジョシュア氏が10月に立ち上げたばかり。同氏が特許を持つ、風力発電機に後付けできる二重プロペラ化アタッチメント等を実用化するための資金を供給する。

 

 同設備は、2層の羽根で風を受けることで、低コストで発電量を2倍に増やせるという。コストは1.5倍にとどめられる。発電効率が高まるため、土地が狭く、新規の風力発電機の立地に制限のある日本や台湾での需要拡大を見込んでいる。

 

 ジョシュア氏は、「風力発電は設置のコスト回収に18年程度かかるが、今回の設備ならば13年程度で回収が可能になる」と指摘している。

 

 2層の羽根の風力発電機はプロペラの前側と後ろ側で回転速度が違い、動力を発電機に伝えることが課題だった。ジョシュア氏は、自動車が左右に曲がる際の内輪と外輪の回転速度を調整する「差動機構」を応用し、異なる回転速度の羽根の動力を少ない損失で発電機に接続することを可能にした。

 

 QB第一号ファンドは昨年9月に、西日本シティ銀行、独立行政法人中小企業基盤整備機構、九州の事業会社などが出資して立ち上げた。ファンド規模は約31億円。 期間10年。QBキャピタル合同会社が運営を担当する。

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http://www.nnfh.co.jp/assets/pdf/news/nnfh_161125.pdf