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カナディアン・ソーラーが「デュアルテナー・グリーンプロジェクトボンド」発行で54億円調達。群馬県・水上でのメガソーラー事業に充当(RIEF)

2017-04-07 16:30:12

Canadaキャプチャ

 

 カナディアン・ソーラー社は、日本での太陽光発電事業の資金調達として、 グリーンプロジェクトボンドで54億円を調達した。ボンドの組成はゴールドマンサックス証券が担当した。同社が日本での再生可能エネルギー事業拡大のためにグリーンプロジェクトボンドを発行するのは2回目。

 

 今回発行したボンドは、デュアルテナーグリーンプロジェクトボンド信託受益権と信託ABLに分かれる。対象事業は群馬県・水上に建設する「CS群馬新巻発電所」(群馬県利根郡みなかみ町)の建設資金。事業を担うSPCのティーダ・パワー83 合同会社(プロジェクトGK)が発行する信託受益権と信託ABL償還期間は、1.5年から20.3年までの2つの満期を持つことから、「デュアルテナー」と呼ぶ。

 

 資産担保型ノンリコース債(asset-backed non-recourse bond)を発行し、当初の1.5年の期間は、年率1.2875%の固定金利となる。当初金利は年1.2874%の固定金利で、期間を延長する場合、年1.3588%に上がる。

 

 CS群馬新巻発電所は、総出力19.05MWで、今年12月に稼動する予定。発電電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して全量を東京電力に売電する。売電価格は1kWh当たり36円となっている。

 

 発行する信託受益権と信託ABLについては、格付け会社の日本格付研究所(JCR)が積雪地帯での発電量への影響へのストレステスト等を実施し、十分なキャッシュフローが見込めるとの判断から「A」を付けた。また事業の「グリーン性」については、日本総合研究所(JRI)が、国際的なグリーンボンド基準である「グリーンボンド原則(GBP)」に基づいて、適切性を認証した。

 

 今回のグリーンプロジェクトボンドの開発は、ゴールドマン・サックス証券が担当した。同証券が委任者となり、受託者の日立キャピタル信託が金銭信託と信託による借入で調達した資金をSPCに貸し付ける形となる。貸付サイドには地元の東和銀行などが参加する。東和銀行は18億円を貸し出す。

 

 カナディアン・ソーラー会長兼CEOのショーン・クー氏は「今回の信託発行により、投資家から、高品質でバンカブルな太陽光発電所建設の実績を認められたといえる。この信託による成功は、日本での低金利なグリーンプロジェクトボンドの発行を推進するだろう」と述べている。

 

https://canadiansolar.co.jp/company/tabid89.html?itemid=183&dispmid=395

https://www.jcr.co.jp/download/3318a91d01619f151bd1811f4baf63a37f1b18343be8111834/16d1139.pdf