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オリックス 地熱発電事業のグローバル展開に向け、米国の地熱事業専門会社の株22.1%を約707億円で取得(RIEF)

2017-05-10 01:05:17

ormatキャプチャ

 

 オリックスは、地熱発電の専業企業として知られる米国のオーマット・テクノロジー社(Ormat Technologies, Inc. 米ネバダ州リノ)の発行済み株式22.1%を約6億2700万㌦(約707億円)で取得することで合意した。オリックスはオーマット社の地熱技術を活用し、アジアでの地熱発電事業への本格参入を目指す。

 

 オリックスは、2002年に国内で大分県別府市の杉乃井ホテルを買収、事業再生するとともに、温泉の熱源を利用して、自家発電としては国内最大規模となる1.9MWの「杉乃井地熱発電所」を所有・運営している。また、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷でも小規模の地熱発電所を運営するなど、地熱発電の展開に力を入れている。http://rief-jp.org/ct10/40614

 

 地熱発電は再生可能エネルギーの中でも、天候に左右されず安定した発電を長期間維持できるため、今後の成長が期待されている。オリックスはこれまでの地熱事業の実績と、今後の市場見通しから、より効率的な地熱事業を、地熱資源の豊富なアジア地域を中心にして展開するため、技術的に優れたオーマット社との連携を深めることにした。

 

 オーマット社は地熱発電設備の設計・製造・販売・施工までを一貫して手がけるほか、自らも地熱資源開発・事業の分野も展開している総合企業。1965年の創業で、米国や中米、アフリカでは地熱発電事業を展開している。同社の発電方式は、やや低温の温水でも発電できる「バイナリー式」の設備導入量では世界トップの約85%のシェアを誇っている。

 

 ニューヨーク証券取引所(NYSE)のほか、テルアビブ証券取引所(TASE)、フランクフルト証券取引所(FRA)にも上場、グローバルなビジネス展開を進めている。地熱発電設備は、全世界で2200MWの累積導入実績がある。2016年の売上高は前年比11%増の6億6260万㌦(約750億円)。

 

 地熱発電の潜在開発可能地域は、発展途上国に限らず、日本を含めた先進国でも成長が期待されている。世界の地熱発電市場は2016年時点での設備容量である約14GWから、2021年には23GW以上に拡大すると見込まれている。

 

 オリックスは再エネ分野を強化しており、昨年3月にはインドで風力発電を手がける企業に出資したほか、9月にもベトナムの水力発電企業に出資した。また今年3月には八丈島(八丈町)が進める「クリーンアイランド構想」に基づく地熱発電利用事業で実施協定を締結した。出力4444kWの地熱発電所を同島で2022年度に稼働させる計画だ。http://rief-jp.org/ct4/68312

 

 

 オリックスが手掛ける太陽光発電や風力、地熱、水力などの再エネ発電事業は、世界各地に広がっており、総設備容量は現在、約2GWに上るという。同社は「今後も積極的に事業を推進し、再生可能エネルギー市場でのグローバルプレイヤーの地位を築いていきたい」と意気込んでいる。

 

http://www.orix.co.jp/grp/news/2017/170508_ORIXJ.html