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石炭火力発電融資の最大の受益企業は、商社の「丸紅」。環境NGOが世界の主要銀行の化石燃料向けファイナンス調査で指摘(RIEF)

2018-04-09 22:07:57

banktrack3キャプチャ

 

 環境NGOのRainForest Action Network(RAN)らは9日、東京で記者会見し、世界の主要銀行の化石燃料向けファイナンスの調査分析結果を公開した。日本の金融機関は3メガバンクが炭素集約度の高いタールサンドなど向けの融資総額でランクインした。一方で、こうした日本の銀行融資の最大の受益者で石炭火力発電をグローバルに促進している企業は総合商社の丸紅だと名指しした。

 

 (写真は、丸紅が事業主体となって建設中のインドネシアのチレボン発電所建設計画)

 

 RANなどの今回の調査報告書は、すでに本サイトで概要を紹介している。http://rief-jp.org/ct6/78130 今回の日本での記者会見は、日本の3メガバンクの化石燃料関連融資・引き受けの実態を中心に分析している。タールサンドなどカーボン負荷の高いエクストリーム化石燃料向け融資・引き受け額では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、主36行中11位、みずほフィナンシャルグループ17 位、三井住友フィナンシャルグループ23位だった。

 

 新たに強調されたのが、各金融機関の融資先の問題だ。日本では世界の潮流とはかけ離れた形で、石炭火力発電の新設計画が現在、国内で42件も進行中だ。さらに、アジアなどでの石炭火力計画にも、国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険などの国の機関がリスク補填をしながら、メガバンクが主導して日本の資金を大量供給している。

 

 報告によると、世界の石炭火力発電所向け融資のランキングで、3メガバンクは、みずほがグローバル金融機関を抑えて1位の座に就いたほか、MUFGが2位、SMBCも5位と、軒並み上位にランクインした。ワースト5では2メガのほかは、インドステイト銀行(3位)、中国商工銀行(ICBC:4位)と、国内エネルギー需要が増大する新興国の金融機関。先進国であるはずの日本の金融機関の石炭火力向け融資の異常な多さが際立つ形だ。

 

 RAN4キャプチャ

 

 報告書はこうした日本の銀行融資の最大の受益者として「丸紅」をあげている丸紅のエネルギー部門への投資のうち、石炭関連は10%に過ぎないが、現在、建設を計画している新規石炭火力発電所は、9カ国で合計1万3000MW(13GW)に上る。その多くが、JBICと3メガバンクの官民協調、日の丸融資団の資金をバックにしている。

 

 代表的な案件が、インドネシアのチレボン石炭火力発電所の2号機(1000MW)で、丸紅は、JBIC、3メガバンク、オランダのINGなどから総額17億㌦以上の融資を2017年11月に受けている。しかし、同発電所の認可については、環境基準を無視しているとして訴訟になっており、事業が実現するかは不明だ。

 

チレボン石炭火力発電計画に反対するインドネシアと日本のNGO
チレボン石炭火力発電計画に反対するインドネシアと日本のNGO

 

  またベトナムのギソン2プロジェクト(1200MW)は丸紅と韓国電力公社(KEPCO)のジョイントで進められており、資金はJBIC、3メガバンク、英スタンダード・チャータード銀行による協調融資となっている。同発電所は、単位発電量当たりのCO2排出量がベトナムの平均的な石炭火力発電所の約2倍になると想定されている。

 

 これら日の丸融資団の特徴は、JBICなどが融資全体の信用リスクを補填する役割を演じる一方で、3メガプラスの形で、欧州の銀行を1行加えることで「日本勢だけではない」との形を演出していると思われる点だ。

 

 3メガバンクのうち、みずほとMUFGは2014年以来、丸紅に対する最大の融資元の関係にある。その丸紅の最大株主は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のほか、世界最大の運用会社のブラックロック、みずほとなっている。報告書は、丸紅が保有し拡大しようとしている石炭火力関連資産は、その価値が下落し、回収が困難になる可能性のある「座礁資産」化のリスクがあると警告している。

http://japan.ran.org/wp-content/uploads/2018/04/BankingonClimateChange_web_jp_20180409.pdf