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アジア・太平洋の環境NGOが、日本の官民共同プロジェクトのベトナムでの石炭火力発電事業はパリ協定逆行し、エクエーター原則にも反すると、共同で緊急要請書を提出(RIEF)

2018-04-20 10:26:43

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  国際協力銀行(JBIC)は、丸紅などがベトナムで計画するギソン第2石炭火力発電所事業に約5億6000万㌦(約600億円、JBIC融資分)を限度とするプロジェクトファイナンスの貸付契約を締結したと発表した。協調融資総額は約18億6900万㌦で、三井住友銀行など3メガバンクが中心になっている。金融団が動き出したことに対して、日本やベトナム、オーストラリアなどの環境NOG、市民団体らは、同事業は金融機関が署名する「エクエーター(赤道)原則」に違反するリスクが高いことを警告する緊急要請書を提出した。

 

 問題のギソン2石炭火力発電所建設事業は、日本の丸紅と韓国電力公社(KEPCO)が共同で進めている。ベトナム北部タインホア省ティンザー県に600MW級の発電所を2基建設、来年の稼働を目指ししている。ただ、同石炭火力は、CO2排出量が相対的に少ないとして日本政府が推奨する「超々臨界圧発電」ではなく、よりCO2の多い「超臨界圧発電」。環境NGOらは明らかにパリ協定が目指す2℃目標達成に反する、と批判してきた。http://rief-jp.org/ct4/77749

 

 丸紅などの事業者による環境アセスメントでも同発電所は、深刻な環境汚染をもたらす古い技術を利用する予定であることが明記されている。また、プロジェクト融資判断への最低基準を示すベトナムの法律では、環境アセスメントの承認から24ヶ月を超えてプロジェクトが開始されていない場合、アセスメントのやり直しを命じる規定があり、ギソン2石炭火力はすでにアセス承認から3年以上が経過しており、この規定に抵触する可能性が高いという。

 

 

ギソン2石炭火力発電所の完成予想図
ギソン2石炭火力発電所の完成予想図

 

 さらに、プロジェクトによって直接影響を受ける地域住民との協議や、同地域内に存在する他の石炭火力発電所やギソン製油所、石油化学製品などのプロジェクトとの累積的影響についても十分な検討がなされていないこともわかっている。

 

 今回JBICが主導する形で進めている同事業への協調融資団には、韓国輸出入銀行(KEXIM)、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、新生銀行の日本勢のほか、シンガポールのオーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)、同DBS、マレーシアのマラヤン・バンキング(メイバンク)の9行。民間金融機関の融資部分にはJBICとKEIXIMがポリティカル・リスクに関する保証を供与する。

 

 環境NGOらは、今回の融資は、3メガバンクも署名しているエクエーター原則に照らすと、適格なアセスの実施と、行動計画の明示が必要な対象となるはずだ。だが、メガバンクはそうした対応をとっていない、と批判している。

 

 一方で、当初、協調融資団に加わる予定だった英スタンダードチャータード銀行は、直近で、同事業の環境負荷の高さを懸念し、内部で再審査することに変更、現時点では融資団に入っていない。

 

 グリーンピース・インターナショナル石炭・大気汚染部門上級国際キャンペーナーのラウリ・ミルヴィエルタ氏は「ギソン2石炭火力は、ベトナムの平均的発電所の2倍のCO2を排出する。自然エネルギーへ投融資を急速にシフトさせる必要性が国際的に求められている段階で、逆に、より汚染がひどくなるプロジェクトへ融資をすることは無責任極まりない行動だ」と批判している。

 

 環境NGO350.org 日本支部代表の古野真氏も、「三井住友銀行、みずほ銀行およびMUFGは、石炭への新たな投融資を凍結させ、代わりにベトナムをはじめとする新興国の自然エネルギー開発への投融資のシフトを率先して行うことができる」と述べ、3メガの変身を求めている。

 

 マーケットフォース事務局長のジュリアン・ヴィンセント(Julien Vincent)は「日本の3メガバンクがこの石炭火力事業に融資すると決断した場合、エクエーター原則委員会が彼らの会員資格を取り消す可能性もある」と分析。パリ協定を本気で支持する決意が固まっているのであれば、批准国の金融機関はその目的に合致した行動を取るべきだと指摘している。

 

http://world.350.org/ja/press-release/vietnamcoalplantfinance/