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みずほフィナンシャル・グループ、石炭火力発電向け投融資の基本姿勢を整備。新たな判断基準は「他の同等技術評価と経済合理性」。パーム油等は人権侵害・環境破壊等の可能性を評価(RIEF)

2018-06-14 16:41:50

mizuhoキャプチャ

 

 みずほフィナンシャルグループ(FG)は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)等を踏まえたESG投融資方針を公表した。石炭火力発電については、「同等のエネルギー効率を持つ他の実行可能な代替技術と比較して、経済合理性を持つかどうか」を判断基準とする考えを示した。パーム油や途上国での木材開発等では、人権侵害や環境破壊にならないよう、国際認証・現地認証、先住民や地域社会とのトラブルの有無等を取引判断に際して重視するとした。

 

 新たなESG投融資方針は15日から、傘下のみずほ銀行やみずほ信託銀行で運用を始める。ESG配慮を投融資判断に盛り込む考えは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が先月、新たな「環境・人権方針」を公表し、石炭火力向け融資についてOECD などの国際的ガイドラインを参考に投融資を判断する」との方針を決めたのに次ぐ。http://rief-jp.org/ct1/79569

 

 グローバルな主要銀行で焦点となっている石炭火力発電向けの投融資方針については、みずほは、これまで海外向けプロジェクト等で、通常の石炭火力発電より環境負荷が小さいとして「超々臨界圧型」向けの融資を推進してきた。MUFGは今後も基本的にこの方針を継続する姿勢だが、今回のみずほの方針は、「エネルギー効率技術との比較と、経済合理性」を判断するとしており、比較対象の代替技術の範囲に再エネ等が含まれるかがポイントとなる。

 

 今回のみずほの方針では、再エネが選択肢に入っているかは明確ではない。他のメディアの報道によると、「今回の方針策定で、小規模の石炭火力発電などへの融資を個別に判断する」と、代替可能性のない大規模な石炭火力以外への適用を想定しているとの見方を紹介している。

 

 みずほは今回の方針の前に、4月に「人権方針」を制定している。これを踏まえ、銀行の投融資取引を通じて環境・社会に対する負の影響を助長する可能性が高い 業種として、兵器、石炭火力発電、パームオイル、木材等を明記した。これらの業種向け投融資に際して、認識すべき環境・ 社会リスク等を示し、投融資に際して取引先にリスクの低減・回 避の対応状況を確認するなどを取引手順に組み込む。

 

 公共性や社会的正義、人道上の理由等で取引を禁止する対象としては、 ①反社会的勢力等が関係する先等への投融資 ② 法令やルールに違反する事業を営む先や、違法・脱法行為に対する与信③公序良俗に反する事業や倫理的に問題のある事業④クラスター弾の製造を行う企業への投融資、を提示した。

 

 投融資に際して、「特に留意する主たる取引」として、①兵器 戦争・紛争における殺傷・破壊を目的とする兵器の製造を資金使途とする投融資等の回避②石炭火力発電は、主として温室効果ガス排出に関わる技術が、同等のエネルギー効率 を持つ実行可能な代替技術と比較しても、経済合理性を踏まえて適切な選択肢で あるか等を検証して判断する、としている。

 

 途上国での熱帯林等のパーム油や木材伐採は、人々の暮らしや社会の維持に欠かせない一方で、生産過程で先住民の権利侵害や児童労働等の人権課題、天然林の伐採・ 焼き払いや生物多様性の毀損などの環境問題が課題となっている。このため、そうしたESG課題を避けるため、持続可 能なパーム油の国際認証・現地認証や、国際的な森林認証制度の取得状況、先住 民や地域社会とのトラブルの有無等に十分に注意を払い取引判断を行う。としている。

 

 新方針に即した投融資判断については、その適切性・十分性、案件対応状況を、経営会議や経営政策 委員会等で定期的にレビューし、方針の見直しと運営の高度化を図る、とガバナンス課題に位置付けた。

 

 また役職員に認識を徹底するため、環境・人権課題に対する理解を深めるための啓発・研修等を実施するとしている。今回の新たな取り組みについてのステークホルダー・コミュニケーションとして、多様なステークホルダーと連携・協働と 事業活動を通じたバリューチェーンへの働きかけを行うなど、ステークホルダ ーとの対話を重視するとしている。

https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20180613release_jp.pdf