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日本政策投資銀行、環境省が始めたグリーンボンド支援事業の補助金対象を、同行発行のサステナビリティボンドにも広げるよう要請。環境省の行政範囲を超える?(RIEF)

2018-06-22 22:07:17

DBJキャプチャ

 

   日本政策投資銀行(DBJ)は、環境省が同省発行のグリーンボンド・ガイドラインを普及させるため、ボンド発行企業に対して補助金配布制度を始めたことを受け、補助金の対象をグリーンボンドだけでなく、DBJ発行のサステナビリティボンドにも適用することを求める姿勢を示した。DBJは2014年に国内初のグリーンボンドを発行したが、その後は対象グリーン資産の確保難から、社会的資産を含めたサステナビリティボンドを発行している。

 

 環境省は、グリーンボンドを発行する企業体が、グリーン性の評価やコンサルティング等に支払う費用を補うため、発行体1社当たり、税金から上限5000万円の補助金を配布する制度を始めた。対象となるボンドは、①調達資金額の半分以上②事業件数の半分以上が国内の低炭素事業③一定の低炭素効果がある④地域活性化効果がある、などを条件としている。

 

 グリーンボンドのグリーン性を評価するセカンド・オピニオンの付与費用は、国際市場では高くても数百万円レベルとされ、日本の環境省が提供する「最高5000万円の補助金」は破格。ただ、対象はグリーンボンドと明記していることから、DBJが最近、発行しているサステナビリティボンドは対象外となる。

 

 もっとも、サステナビリティボンドの定義は、国際資本市場協会(ICMA)によると、グリーン事業とソーシャル事業の両方をカバーしているものとされ、グリーン性がないわけではない。DBJは「国内でのグリーンボンドの先駆者」(DBJ関係者)との自負も強い。さらに、5000万円の補助金の費用削減効果はDBJにとっても魅力だ。

 

 こうしたことから、先に香港で開いたICMAのグリーンボンド年次総会後のパネルに出席したDBJの担当者は、「環境省が始めた支援制度を、グリーンボンドだけでなく、ソーシャルボンドや(DBJが発行している)サステナビリティボンドにも拡大してもらいたい」と発言した。

 

 環境省の補助基準は調達資金の50%以上がグリーン事業、対象事業の50%が国内低炭素事業、というように、国際的な基準(100%グリーン事業)よりも、大幅に緩い。このため、サステナビリティボンドでも、調達資金の50%以上をグリーン事業に投じるケースもあることから、対象になり得るとの見方もできる。

 

 実際、DBJのサステナビリティボンドの資金使途は、①同行の環境勝付融資でC以上の格付を得た企業②同グリーンビルディング認証で「3 Stars」以上の認証物件③GRESB最高位の「Green Star」を取得したREIT、不動産、事業法人向け④再生可能エネルギー分野⑤クリーン交通関連分野などと、グリーン関連を主として、それに建物の防犯・防災や社会性、ステークホルダーとの連携等の社会的要因を評価する内容になっている。

 

 ただ、環境省の行政目的を超える「社会性」を同省の予算で支援することの妥当性を説明できるか、という課題が出てくる。また、DBJは政府全株保有の公的金融機関であり、政府機関を政府の補助金対象に含めるのはどうか、との視点もある。何よりも、制度自体が「グリーンボンド発行支援体制整備支援事業」と銘打っていることとの整合性が引っかかる。

 

 海外のセカンド・オピニオン評価企業なども、日本の環境省の”補助金大盤振る舞い”を狙って、市場参入を目指しているとの話もある。DBJの「われわれにも補助金を」という要請に、環境省がどう対応するのか。「環境省はDBJには甘い」との解説もあるが。

 

https://www.env.go.jp/press/105117.html