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TCFDの支持表明企業、300社を突破。日本勢は新たに地銀初の滋賀銀行、石炭火力発電向け融資全廃宣言の三井住友信託銀行など、合計19社に増加(RIEF)

2018-08-01 23:03:05

TCFD3キャプチャ

 

   気候変動のリスク・オポチュニティ情報を、企業の財務情報として開示を求める金融安定理事会(FSB)の気候財務関連情報開示タスクフォース(TCFD)勧告の支援企業数が、7月末時点で315社となった。日本企業は、この1カ月で6社増え、19社になった。金融界では滋賀銀行が地方銀行として初めて名乗りをあげたほか、石炭火力発電所への投融資の全廃を宣言した三井住友信託銀行も加わった。

 

 TCFDはこの夏の間に、支援表明企業数をグローバルベースで500社にまで引き上げたいとの意向を示している。実際に500社に達するかどうかは別にして、昨年6月の勧告発表以来、ほぼ1年で300社以上の企業と金融機関が、気候情報の財務情報化に賛同を示したわけで、順調に支持が広がっているといえる。

 

 日本企業は、TCFDの勧告が出た2017年7月の段階では住友化学と国際興業の2社だけだった。その後、企業の気候情報を評価する金融機関の支援表明が続き、昨年末の時点で6社、その後、伸び悩んだが、6月に4社、7月に6社と、まとまった表明が続いた。

 

 横並び意識があるとされる日本企業だが、各業界で気候変動問題への関心の高い企業が相次いで名乗りをあげてきたことから、同業他社の追随が期待され、今後もしばらく表明企業数は増えそうだ。

 

 7月中に新たに支援表明した企業は、金融界では地銀初の滋賀銀行、石炭火力向け融資を原則全廃宣言をした三井住友信託銀行の2行。企業では、TCFDに専門家派遣をしている三菱商事をはじめ、積水ハウス、住友林業、野村総合研究所がそれぞれ署名した。いずれもサステナビリティを重視した経営を打ち出している。合計で日本勢は19社。このほかに、金融庁など3機関がオブザーバーとして登録している。

 

  TCFD勧告は、気候変動に伴うリスク・オポチュニティの情報を企業の財務情報として自主的に開示することを求める内容だ。支持表明企業は、財務報告書等において、気候変動に伴う財務価値の変動可能性などをシナリオ分析等の手法を使って投資家に示す工夫を期待される。

 

https://www.fsb-tcfd.org/about/