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住友商事がベトナムで計画するバンフォン石炭火力事業、OECDの輸出ルール、3メガバンクの石炭火力方針のいずれにも適合せず。廃止すべきと、環境NGO5団体が要請(RIEF)

2018-08-09 21:08:17

sumishouキャプチャ

 

    環境NGOのFOE Japanや350org .Japanなど5団体は、住友商事がベトナム・カインホア省で進めているバンフォン石炭火力発電事業(660MWの超臨界圧石炭火力発電(SC)2基の建設)が、気候変動の影響を加速するうえ、住民への情報公開を欠くなどの問題があるとして、事業中止を求める要請書を同社ほか、資金を提供する3メガバンクなどに提出した。

 


 同事業は住商が2009年から手掛けている。ベトナム中南部のカインホア省ヴァンホン経済特別開発地区で、同国内最大規模の超臨界石炭火力発電所を建設・運営する計画だ。総事業費は2,000億円程度。発電容量660MWのSCのボイラ・タービン発電機2基を建設し、豪州等からの輸入石炭を燃料として25年間にわたりベトナム電力公社に売電を行うBOT(建設・運営・譲渡)方式の事業だ。

 

 資金面では国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)の公的資金・信用に加え、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のほか3メガバンクがそろって融資団を構成する「日の丸連合」となっている。

 

 しかし、環境NGOらは、「500MW以上の超臨界圧の石炭火力発電所はOECD公的輸出信用アレンジメントでは融資が制限されている」と指摘。さらに、3メガバンクが最近公表した石炭火力発電事業への融資方針でも、超々臨界圧石炭火力発電(USC)への融資に限るとの姿勢を打ち出していることと整合しないと批判している。

 

 また、CO2排出量の増大だけではなく、ベトナムは大気汚染に対して脆弱な気候・地形風土であり、「気候変動脆弱性インデックス」によると、常に上位に位置づけられ、住民への説明のプロセスを欠いていることを問題視してい る。

 

 ベトナムでは、2001 年~ 2010 年の間、異常気象や⾃然災害によって、毎年GDPの平均1.5%に相当する損失が発生している。実際に、バクリュウ省でJICAが協⼒準備調査を⾏っ た⽯炭⽕⼒発電事業の開発は、⼤気汚染への懸念などを理由に中⽌されている。

 

 3メガバンクに対しては、今年になって各行が宣言した石炭火力発電融資に矛盾するほか、環境・社会的影響を事前に評価・チェックするエクエーター原則に照らしても、同案件は認められない、と指摘している。JBIC等の2政府機関に対しても、 政府が守るべきOECD ルールに沿うと、住商の案件は支援対象外であり、速やかに、支援除外の対応を取るよう求めている。

http://www.foejapan.org/aid/doc/pdf/180809.pdf

https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2009/group/20091124