HOME1. 銀行・証券 |三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、3回目のグリーンボンド発行へ。資金使途はJ-REIT向けが軸。J-REIT向け独自の評価基準も制定。約5億ユーロ(660億円)規模(RIEF)。 |

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、3回目のグリーンボンド発行へ。資金使途はJ-REIT向けが軸。J-REIT向け独自の評価基準も制定。約5億ユーロ(660億円)規模(RIEF)。

2018-10-01 11:53:20

MUFGキャプチャ

 

  三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は今月中に、国内の不動産投資信託(J-REIT)に資金供給するグリーンボンドを約5億ユーロ(約660億円)発行する。同グループとしてのグリーンボンド発行は3回目。J-REITへのファイナンスを軸とするのは今回が初めて。対象J-REITは保有不動産がLEEDなどの基準に適合し、さらにMUFGグループ内で開発したESG基準に適合するものとする。

 

 MUFGはグリーンボンドの資金使途をJ-REITに拡大するため、自社のグリーンボンドフレームワークを改正、評価クライテリアを不動産向けファイナンス(Criterion1)と再生可能エネルギー事業向けファイナンス(同2)に再編した。さらに不動産向けに、グループの三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)がJ-REITのESG要因を5段階で評価する手法を開発した。

 

 Criterion1の対象は、J-REITが保有する不動産が米国の認証基準であるLEEDや、英国のBREEAM、さらに日本のCASBEEと日本政策投資銀行のグリーンボンド認証のいずれかを2年以内に取得し、CO2排出量を検証できる建物に限定する、としている。対象不動産は新築、既築のいずれでもいい。

 

 これに加えて、MURCが開発したESG評価基準を活用する。同基準は、ESG全般のほか、E、S、Gの4分野で合計51の評価項目を設定して評価する。その総合点で、対象J-REITを、S、A、B+、B-、Cの5段階に格付する。このうち、上位のS、A、B+の3区分に格付されたJ-REITだけを、グリーンボンドで調達した資金での融資対象にする仕組みだ。

 

MURCキャプチャ

 

 J-REITの投資法人は最近、新規投資を得るため自らグリーンボンドの発行に相次いで踏み切っている。MURCの評価はそうしたJ-REITを「外部格付」する形となり、新たな投資資金をJ-REIT市場に呼び込む役割も果たしそうだ。http://rief-jp.org/ct1/78621    http://rief-jp.org/ct1/78621

 

 MUFGは整備したJ-REIT向けの基準に基づく資金調達として、今月中にもグリーンボンドを発行する。第三者評価は、Sustainalyticsがセカンド・オピニオンを付与している。

 

 MUFGはこれまで2回にわたってグリーンボンドを発行しているが、いずれも金融危機対策として銀行持ち株会社が発行するTLAC債(総損失吸収力債)だった。3回目の今回は初めて、市場のグリーン資金需要に応じてグリーンボンドを発行することになる。http://rief-jp.org/?p=83290&preview=true

 

https://www.mufg.jp/

https://www.sustainalytics.com/wp-content/uploads/2018/09/MUFG-Framework-Overview-and-Second-Party-Opinion_Final.pdf