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北海道道北に、風力発電事業用の国内最大の独自送電網整備へ。建設費約1000億円、三菱UFJ、三井住友などがシンジケートローン組成へ(RIEF)

2018-10-05 12:14:11

wind13キャプチャ

 

 風力発電最大手のユーラスエナジーホールディングスなどが出資する北海道北部風力送電(北海道稚内市)は4日、風力発電設備が集積している道北で、約1000億円を投じて独自の送電線網を整備すると発表した。送電網は約78kmで、大手電力会社を除くと、国内の送電線網の整備としては過去最大規模という。

 

 約1000億円の建設資金は、三菱 UFJ銀行、三井住友銀行、日本政策投資銀行をア レンジャーとする金融機関からシンジケートローンで調達する。

 

 北海道北部風力送電はユーナスのほか、エコパワー、北海道電力、北海道銀行などが出資して設立した。道北は風力発電の適地だが、既存の北電による送電網が脆弱なため、発電量を全量安定的に送電できないという課題を抱えている。そこで、自前の送電線を整備するほか、蓄電設備や変電所等も新たに整備して、送電インフラを高めることが目的だ。

 

wind14キャプチャ

 

 今回の送電網事業は経済産業省・資源エネルギー庁による「風力発電のための送電網整備の実証事業」の一環。送電網整備区間は、稚内恵北開閉所~北海道電力設備(中川町) ( 開源開閉所-北豊富変電所間含み)で、187kV(70.2km)と66kV(7.6km)の送電線をそれぞれ2回線整備する。合計の延長距離は 77.8kmに達する。

 

 工事は10月から開始、2022 年度に完工の予定。合計で出力600MWの電力を送電できるという。また、大容量のリチウムイオン電池(240MW / 720MWh)を設置することで、風況によって不安定になる風力発電の電力を安定的に送電できるようにする。風力発電の出力が一定範囲を超えると、送電線網に悪影響を与えないよう風力の出力を自動制御する仕組みも導入する。

 

 北海道では先日発生した震度7の地震によって全道停電が起きたが、その復旧工事では、出力が変動する風力発電や太陽光発電の接続は、火力発電所よりも後回しになった。風力発電の送電網が整備されると、そうした事態は防げるほか、火力発電がダウンした際も、風力発電の電力を供給して補うことも可能になるとしている。

http://www.hokubusouden.com/images/news/2018/20181004.pdf