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サステナブル銀行は環境・社会配慮だけでなく、収益力も21の国際メガバンクより高い(MARKETWIRE)

2012-03-13 17:32:19

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ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した金融ビジネスの展開で知られるオランダのトリオドス銀行などで構成するGABV(Globak Alliance for Banking on Value)のサステナブル銀行15行と、シティバンクやJPモルガンチェースなどの21の国際メガバンクの財務力を比較した報告によると、サステナブル銀行は、ESGだけでなく、収益力、健全性の点でも、国際メガバンクを上回っていることがわかった。

報告は、GABVとロックフェラー財団が実施した。15のサステナブル銀行は、トリオドスのほか、ドイツのGLSバンク、イタリアのバンクエティカ、米国のNew Resource Bankなど。比較対象となったメガバンクは、G20が金融安定のために指定した21の主要銀行で、その中には、バークレイズ(英)、ドイチェバンクなどのほか、日本の3メガバンクも含まれている。

 

それによると、調査期間となった2007年から10年の間。リーマンショックを挟んで、金融危機が顕在化した期間で、欧米金融機関の間では貸し渋り活動が指摘された。この間、サステナブル銀行は15行合計で貸出を80%増加させたのに対して、国際メガバンクは20%の増加にとどまった。

銀行の財務力は、サステナブル銀行野場合、BISのコア1資本が資本全体の14%と高い水準を維持したのに対して、国際メガバンクは10%以下だった。また自己資本比率は9%を超えたのに対して、メガバンクは5%を少し超えたレベルだった。サステナブル銀行のROAは0.5%(メガ0.33%)、ROEは7.1%対6.6%といずれも既存のメガバンクを凌駕している。

こうした財務面での優位性は、調査期間中に各国のメガバンクが融資に慎重になったのに対して、サステナブル銀行は元々、単純な国債投資や、複雑な証券化商品投資をせず、再生可能エネルギープロジェクトや、地域再生の活動等に地道な融資を続けてきたという銀行行動の差が顕在化したことが大きいといえる。

GABVの議長で、トリオドス銀行のCEOでもあるPeter Blomは、「我々は歴史的に最大の環境・社会的課題に取り組む機会に恵まれている。銀行業にとって大いなるチャンスが到来している」と指摘したうえで、「環境、社会にとって“良いこと”をすることは、理論的、あるいは倫理的な意味で価値があるだけではなく、伝統的なベンチマークの収益という点でみても、利益を高めることが、明らかになった」と、強調している。

 

http://www.marketwatch.com/story/report-shows-sustainable-banks-outperform-worlds-largest-banks-2012-03-08

 

GABVのサイト:http://www.gabv.org/

Exploring a collective financial vehicle to meet the need for equity in this fast growing sustainable banking sector