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北洋銀行 廃プラスチックを主燃料とする小型ボイラー製造の地元北海道のベンチャー企業にファンドを使って出資。廃プラ対策とCO2削減の両方に効果(RIEF)

2018-11-05 08:14:50

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  北洋銀行(札幌)は、環境機器事業等を展開するエルコム社(同)の廃プラスチックを主要原料とした小型ボイラーの製造などの技術を評価し、同社に対して約1000万円を出資した。同社は高い技術力を持つ一方、製造のための工場は保有しないというファブレスメーカー。廃プラ燃料のボイラーのほか、プラスチックの樹脂ペレットへの転換技術等も持つ。

 

 (写真は、北洋銀行が支援するエルコム社の廃プラ燃料のボイラーシステム)

 

 北洋銀行は同行が2012年4月に設立した「北洋イノベーションファンド」を通じてエルコムに出資した。同ファンドは、技術・商品・ビジネスモデル等に特長や優位性があり、成長が見込まれる北海道内企業のイノベーション活動を株式引受により支援することを目的としている。今回の出資で39 件目、累積出資額は約 7 億円に達している。

 

 エルコム社は 1991 年設立。環境・エネルギー関連の機械装置の設計・開発企業。廃発泡スチロールの圧縮機や減容機、樹脂ペレットを利用した小型ボイラーなど特色ある製品の開発を行っている。

 

エルコム社のボイラー
エルコム社のボイラー

 
 同社が開発した完全燃焼可能な小型ボイラー「イーヴォル」は、主燃料が廃プラスチック(ポリピレン、ポリエチレン、ポリスチレン)を同社が開発した独自の燃焼システムによって、安定した燃焼を実現し、ダイオキシンやCO2の排出を縮減させる一方で、温水、温風、蒸気の各エネルギーを利用できる。

 

 燃料となる廃プラスチックは選別不可能で処分されたプラごみのほか、海岸に漂着したフロートブイなどから生成した樹脂ペレットを使う。廃プラ縮減につながるほか、通常のボイラーの燃料に使用されるA重油や灯油価格に比べ、約50%の燃料削減になる。また原油を輸入し精製する従来燃料に比べ、CO2を75%削減できるという。

 

 北洋銀行は、エルコム社の技術は、世界的な課題となっている廃プラスチック減少と、CO2排出量の少ないエネルギーの確保の両方に貢献すると判断、同社を出資を通じて支援することを決めた。

 

https://www.hokuyobank.co.jp/newsrelease/pdf/20181101_071327.pdf

https://www.elcom-jp.com/