HOME1. 銀行・証券 |三菱UFJフィナンシャル・グループ、北朝鮮とのマネーロンダリング疑惑報道。背景に、米ニューヨーク州の金融当局との対立も影響か(?)(RIEF) |

三菱UFJフィナンシャル・グループ、北朝鮮とのマネーロンダリング疑惑報道。背景に、米ニューヨーク州の金融当局との対立も影響か(?)(RIEF)

2018-11-22 16:55:26

MUFG1キャプチャ

 

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が北朝鮮のマネーロンダリング(資金洗浄)に関連して、昨年後半に米検察当局の調査を受けていたと、米ニューヨークタイムズ紙が報じた。それによると、資金洗浄の温床となっている北朝鮮との国境付近でビジネスをしている中国の顧客に対し、三菱UFJが身分確認を怠った疑いがあるとしている。

 

 また、制裁対象者との取引を除外するシステムを意図的に無視した疑いもあるという。ただ、北朝鮮がMUFGを通じてマネーロンダリングをした証拠があるかは不明だとしている。同紙を引用する形で、日本経済新聞は、ニューヨーク州金融サービス局(DFS)は、国際的な制裁対象となっている国家との取引を禁じる内規を、MUFGが意図的に無視した疑いもあるとみているようだ、と報じている。https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20181122&ng=DGKKZO38052980R21C18A1EE8000

 

 MUFG傘下の三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)のニューヨーク支店に対してDFSは、2013、14年に、イランやミャンマーなどのような、米国の制裁対象国に絡む取引を巡り、違反があったとして、総額5億6500万㌦の罰金を課し、MUFG側は支払いに応じている。

 

 MUFG2キャプチャ

 

 その後、MUFGが、米国のニューヨーク州を含む4州で州法で各州当局による規制を受けている子会社の支店について、連邦法に基づく規制対象となる承認を米通貨監督庁(OCC)の監督下に移行させ、今月初めに承認を得た。これに対してニューヨーク州のDFSは、監督権限維持を主張、今月9日、MUFGはDFSを提訴して争う形になっている。https://jp.reuters.com/article/usa-mufg-regulators-idJPKBN1D80GE

 

 ロイターが報じたマンハッタンの連邦裁判所に提出された訴状によると、MUFGはこれまで州当局の規制下にあった同行支店を連邦当局の監督下に移すことが認められた後も、DFSが監督を続ける方針を示したことは連邦銀行法に違反すると主張。DFSに監督を中止するよう求めた。https://jp.reuters.com/article/mufg-new-york-idJPKBN1DA063

  今回のニューヨークタイムズの報道では、現在のOCC長官のJoseph M. Otting氏が、元MUFGに務めていたことと、トランプ政権によって任命されたことも記述している。確かにOtting氏は、1986年から2001年の間、MUFGの米国子会社であるユニオンバンクの要職を歴任、最後は商業銀行部門のグループ責任者を務めている。

 

 ニューヨークタイムズ紙によると、OCCのスポークスマンは「MUFGにNatgional Charter(連邦銀行法の監督)を承認することは、Otting氏が長官になる前になされていたことで、Otting氏はこの件に関与していない」とコメントしている。ユニオンバンク自体は、それ以前に、OCCの監督下に入っている。

 

https://www.nytimes.com/2018/11/21/business/mitsubishi-ufj-north-korea.html