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三井住友銀行、グリーンボンドを裏付け資産とした「グリーン信託ABL」を月内にも組成。地銀向けに責任限定特約付シンジケートローンとして提供(RIEF)

2019-03-15 07:32:05

SMBC13キャプチャ

 

 三井住友銀行は、グリーンボンドを発行する企業と、シンジケートローンを提供したい地銀等の金融機関をつなぐため、グリーンボンドを裏付け資産とする信託ABL(Asset Backed Loan)を組成する。第一号として今月中に、同ABLを地域金融機関向けの責任限定特約付シンジケートローンとして提供する。

 

 信託ABLは、グリーンボンド投資のキャッシュフローに、金利スワップやオプション、CDSなどデリバティブの価値を加えることで利回りを高め、これをローン形式にするもの。機関投資家や地域金融機関等のローンによる投資ニーズに応えることを目指すものだ。

 

SMBC11キャプチャ

 

 三井住友銀行が信託ABLのアレンジャー兼エージェントになって、シンジケーションを組成する。グリーンボンドの発行主体は公表されていないが、同ボンドについては日本総合研究所が適格性についての第三者評価を付与する。

 

 日本国内市場でのグリーンボンド発行は昨年以来、増加している。だが、投資家にとっては、円建てグリーンボンドは超低金利下での発行だけに、投資リターンに魅力が乏しいのが実情。信託ABLにすることで利回りアップが期待できることと、債券としての投資よりも、ローンにすることで、金利変動リスクの減少も期待できる。

 

 欧州市場ではグリーンプロジェクトへのシンジケートローンについては、グリーンボンド原則(GBP)のローン版であるグリーンローン原則(GLP)への適合を踏まえて金融機関同士で直接取引されている。今回の三井住友銀行の「グリーン信託ABL」を使ったグリーンボンドのグリーンローン化は、GBPとGLPをつなぐ形での工夫といえる。

https://www.smbc.co.jp/news/j601785_01.html