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三菱UFJ信託銀行 外国株や債券を含む全投資資産に、ESG評価を拡大。「投資除外基準」も明記へ。7月1日から「責任投資ポリシー」として適用(各紙)

2019-03-29 11:52:56

MUFGt1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、三菱UFJ信託銀行は、これまで国内株式を中心に適用していたESG評価の対象を、外国株や債券などの全資産に拡大する指針を決めた。ESGの評価で問題のある銘柄を除外する「投資除外」基準も明記する。新指針は「責任投資ポリシー」として、7月1日から適用する。

 

 日本経済新聞が報じた。対象となる資産は、原則として顧客から受託した全ての運用資産とするほか、三菱UFJ信託銀本体だけでなく、三菱UFJ国際投信やMU投資顧問などの主要子会社にも適用する。このため、対象となる資産残高は、連結ベースで約53兆円になる。

 

 導入する「除外基準」については、クラスター爆弾や対人地雷などの非人道兵器の開発・販売に関わる銘柄を運用の対象から外す見通し、としている。ただ、クラスター爆弾等はすでに全国銀行協会レベルで除外対象となっている。欧米金融機関では、温暖化の進行につながる石炭火力等の化石燃料関連企業の除外を明記するところが増えている。同行がどこまで除外基準の範囲を拡大するかが注目される。

 

 報道によると、クラスター爆弾等関連企業については、「外国株の一部が抵触するが、現在投資している銘柄ではないため運用上の影響はゼロ」という。化石燃料関連企業については言及していない。除外基準は随時見直し拡充する方向としている。

 

 新指針の策定に併せ、ESG運用を統括する新部署「責任投資推進室」を設ける。企業の取材やデータ分析を通じてESGの取り組みを評価するアナリストの監督を行うほか、海外の投資家やNGO等に同行のESGの取り組みをアピールする活動を予定しているとしている。

 

 同行の大滝昌之CSR室長は「ESG投資の方針を明確にすることで、企業との建設的な対話(エンゲージメント)がより活発になる」とコメントしている。

https://www.tr.mufg.jp/

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190329&ng=DGKKZO43033780Y9A320C1EE9000