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西武信用金庫、反社会的勢力への融資継続の疑いで、金融庁から立ち入り検査。スルガ銀行に次ぐ「元気な中小金融機関」の不祥事相次ぐ(各紙)

2019-04-09 11:12:53

seibuキャプチャ

 

 各紙の報道によると、西武信用金庫(東京・中野)が、暴力団など反社会的勢力と関わりのある企業に融資していた疑いがあるとして、金融庁の立ち入り検査を受けたことがわかった。金融庁は同金庫の融資審査や管理体制に不備がなかったかを調べているとされ、組織的に不適切な融資をしていた恐れもあるとも指摘されている。

 

 西武信金は東京や埼玉など首都圏を基盤に、ESG分野も含めて、積極的な活動を展開している。預金残高は2兆円を超える大手信金として知られる。

 

 報道によると、融資先の一部に暴力団と関わりのある企業が含まれていたとみられる。問題の支店では、警察庁が準暴力団と位置づける組織の関係者側への融資が大きく膨らんでいたという。相手先が暴力団関係者と分かった後も、融資を続けていた疑いがあるとされる。

 

 西武信金の幹部は報道機関に対して、「現時点において反社会的勢力との取引関係はないと認識している。適切に業務をやってきたつもりだが、今はコメントできない」などと話しているという。同金庫は、反社会的勢力との関係遮断の態勢を整えることを「基本方針」に掲げている。

 中堅・中小金融機関の不適正活動としては、スルガ銀行の投資用不動産での不適切な融資が発覚している。同問題を受けて金融庁は、昨年秋から西武信金を含む地域金融機関の不動産融資の実態を調べており、その調査過程で、同金庫の問題が判明したとみられる。

 

 報道では、金融庁は反社会的勢力と疑われる相手との取引をすでに把握している模様だが、金融庁の検査方針について、「反社会的勢力の認定だけでなく、内部管理体制の実効性も重視する」との説明もある。問題の融資が、事前に相手が暴力団員関係者と分かったうえで融資したのか、事後に判明しても組織的に続けたのかなどを調べている模様だ。

 

 金融機関と反社会的勢力の関係では、みずほ銀行が2013年に提携先の信販会社を通じて暴力団員らに融資、問題が発覚後も2年以上も取引を解消せず、一部業務の停止命令を受けた事例がある。信金では、埼玉県信用金庫(埼玉県熊谷市)が昨年夏、反社会的勢力に海外送金の資金洗浄(マネーロンダリング)に利用された疑いがあるとして、金融庁の処分を受けた。

 

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190409&ng=DGKKZO43499550Y9A400C1EE9000

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