内外39カ国70の環境NGO、JBIC、NEXIによるベトナム・バンフォン1石炭火力発電支援はOECDルールに違反、政府「パリ協定長期戦略」とも非整合、と支援撤回求める共同要請(RIEF)
2019-04-28 00:03:27
内外39カ国78の環境NGO・団体が、国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)によるベトナム・バンフォン1石炭火力発電事業への支援撤回を求める緊急要請書を日本政府、両機関および、3メガバンク等に提出した。同事業は住友商事が事業主体で、大型の超臨界圧石炭火力発電所(SC)を建設する計画。環境NGOらは、OECD公的輸出信用ルールに逸脱した「反温暖化対策」のプロジェクトと批判している。
日本政府は先に「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(仮称)(案)」を公表、その中で国際的なCO2削減に対して「海外におけるエネルギーインフラ輸出を、パリ協定の長期目標と整合的に世界のCO2排出削減に貢献するために推進していく」とうたっている。今回のベトナム向けの石炭火力事業支援は、明らかに、こうした方針と逆行する。
焦点のバンフォン1石炭火力発電事業は、2基の660MWの超臨界圧石炭火力(SC)を、カインホア省ニンホアのニンフックコミューンに建設する計画。住友商事が主要な事業出資者で、JBIC、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、シンガポール銀行OCBC、中国の中国銀行が融資する予定。日本の3メガバンクの融資部分にNEXIが保証を付ける「日の丸プロジェクト」と位置付けられている。
またJBICの「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」では、「適切と認める場合には、他の国際金融機関が定めた基準、その他の国際的に認知された基準、日本等の先進国が定めている基準またはグッドプラクティス等をベンチマークとして参照する」としているが、バンフォン1は、明らかにこれに違反している、と指摘している。
環境NGOらは、G20を前にして、4月18日付の英国・フィナンシャル・タイムズ・アジア版で、議長国である日本の安倍晋三首相に対し、気候変動対策へのリーダーシップを発揮し、国内外での石炭火力推進をやめるよう求める意見広告を出している。JBICに対しも、バンフォン1に融資しないよう求める意見広告を3月19日付の同紙に掲載している。
要請書の送付先は、次の人々。
安倍晋三首相、世耕弘成経済産業相、麻生太郎財務相、 河野太郎外務相、前田匡史国際協力銀行総裁、板東一彦日本貿易保険社長、 兵頭誠之住友商事社長、北岡伸一国際協力機構(JICA)理事長、 三毛兼承三菱UFJ銀行頭取、藤原弘治みずほ銀行頭取、高島誠三井住友銀行頭取。
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/vp/190426.html