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日本政策投資銀行、みずほ銀行、東邦銀行の3行。福島県内での大規模再エネ開発事業で、送電事業分に約120億円の融資枠設定。政投銀は劣後ローンで設定(各紙)

2019-11-10 13:19:30

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  各紙の報道によると、日本政策投資銀行とみずほ銀行、東邦銀行は、福島県内で設立する太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電・送電事業の大規模整備事業の軸になる送電事業に約120億円の融資枠を設定した。政府系の政投銀がリスクの高い劣後ローンで供給、民間2行とリスクシェアリングをする。

 

 日本経済新聞が報じた。東京電力福島第一原発事故で事業開発等が滞った福島県東部地域で、計画がからの資金を呼び込むため、リスクの高い劣後ローンで供給する。発電事業は地元企業による合弁会社など10数社が沿岸地域に太陽光発電所を11カ所、山間地域に風力発電所10カ所を新設する。

 

 総事業費は2023年度までに3000億円規模となる。発電出力は全体で約600MWを見込んでおり、原子力発電所の約3分の2の規模になるという。各発電施設から東京電力の送電網につなげるために総延長約80kmの送電設備を整備する。政投銀などはこの送電事業分をターゲットとする。

 

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 送電網は沿岸部の太陽光発電設備の電力を対象とする双葉北部送電ルートと、山間部の風力発電を対象とする阿武隈北部送電ルート、そして風力と太陽を両方対象とする阿武隈南部送電ルートの3ルートを建設整備する予定。

 

 これらの送電事業は、県の第三セクターや東京電力ホールディングスが出資して2017年に設立した福島送電合同会社(福島市)が担う。発電設備で発電された電気を東京電力パワーグリッド(東京都千代田区)に振替供給を行い、東京電力管内に送電する。

 

 送電事業費は総額約290億円。政府からの補助金は発電所整備に最大約200億円程度、送電設備に100億円台半ばが見込まれている。

 

 政投銀などが送電事業に設定する融資枠のうち、政投銀が劣後ローンで融資枠を提供する。このため、民間2行は融資リスクを低減できる。そこで両行は別途、発電施設整備事業向けの融資を各事業者に供給するという。送電事業分の資金繰りがつくことで、事業全体のファイナンスも円滑に進む見通しだ。

 

  発電事業は固定資産買取制度(FIT)などを利用することで、事業費回収のメドをつけ易い。これに対して送電事業は、政府の補助金と事業者資金で対応するが、事業者負担がカベとなる。今回の事業では、その送電部分に融資が付くため、発送電一体の開発が進みやすくなるとしている。

 

 事業計画では、発電は早ければ20年1月から始まる予定という。全体が完成するのは23年度中の予定としている。

http://fukushimasouden.com/

https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/020711956/

https://www.dbj.jp/

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO52001410Z01C19A1EA5000?type=my#AAAUAgAAMA