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川崎重工業、沖縄の離島向けに、天然ガスと重油併用の「デュアル・フューエル(二元)エンジン発電設備」納入へ。国内の事業用では初(RIEF)

2020-04-09 13:51:07

kogene1キャプチャ

 

 川崎重工業は、沖縄電力から、離島地域での発電用に、天然ガスと重油の両方を燃料として使えるデュアル・フューエル(二元燃料)エンジン発電設備2基を受注したと公表した。事業用発電で天然ガスと重油を併用できる発電設備は国内初となる。主燃料として天然ガスを使用した場合、従来比でNOx排出量は約80%、SOx排出量は約99%、CO2排出量は約20%の削減がそれぞれできる。

 

 (写真は、天然ガス活用のコジェネレーション発電設備。今回の発電設備ではありません)

 

 沖縄電力は現在、10の離島系統で、重油を燃料としたディーゼル発電設備で電気を供給している。ただ、重油発電では周辺環境や地域への汚染物質の排出が課題となっている。このため同電力は電力の安定供給と環境負荷の軽減を両立させるため、天然ガスとの併用化を進めることとし、まず宮古島にある宮古第二発電所へ新設備の設置を予定している。

 

 導入するのは、定格出力12MWの設備。天然ガスと重油の両燃料については、運用中に切り替えが可能という。4サイクルエンジンで、2021年度内に運転開始予定。天然ガス専焼に切り替えないのは、重油は長期貯蔵がガスよりも容易なためで、主燃料には天然ガスを活用し、重油は安定供給のために補助的に活用するとしている。

 

 川崎重工は、これまでも沖縄の離島での発電を行う沖縄電力向けに発電設備を納入している。2011年と2015年には石垣第二発電所へ世界最大規模の定格出力18MWの4サイクル中速ディーゼルエンジンによる発電設備を納入した。また、10MW級ディーゼル発電設備やガスタービン発電設備、移動電源車等も整備している。

 

 同社では、国内の離島部だけでなく、海外の離島や途上国等での遠隔地での安定した発電設備の供給に、今回のデュアル・フューエル・エンジン発電設備等が活用できるとして、海外市場も睨んだ事業展開を検討している。

 

https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20200409_1.html