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オリックス、インドの大手再エネ企業「Greenko Energy」へ約1000億円出資で合意。第二位の株主に。日本企業の再エネ分野での海外投資としては最大規模に(RIEF)

2020-09-11 23:43:06

Orix001キャプチャ

 

 オリックスは、インドの大手再生可能エネルギー事業会社のGreenko Energy Holdings(本社:モーリシャス諸島)と同社の株式一部取得で合意したと発表した。発行済株式の20%超を約9億8000万㌦(約1000億円)で取得、同社の第2位の株主になる見通し。Greenkoはインドの2大再エネ事業者の1社を傘下に持ち、稼働中、開発中等を合計した発電容量は13.6GWになる。オリックスは再エネ市場拡大が続くインド市場での基盤を強化する。

 

 日本企業による再エネ分野の海外企業への投資としては、最大規模となる。オリックスでは、年内をメドにGreenkoの創業者から約6億5000万㌦分の株式を取得する。加えて、すでにオリックスがインドで保有する風力発電事業をGreenkoに売却、譲渡額に相当する約3億3000万㌦分の新株も引き受ける。

 

 Greenkoはインド国内で太陽光発電、風力発電、水力発電など、設備容量合計4.4GWの再エネ事業を稼働させているほか、現在、買収手続き中の水力発電事業1.2GW、建設または開発中のプロジェクトも合計8GW以上保有する。同社は2004年に二人の創業者によって設立された。

 

 これまでも内外の投資家の資金を導入しており、2013年にはシンガポール政府投資公社(GIC)、2016年にはアブダビ投資庁(ADIA)が資本参加している。現在の株主割合は、GICが65.8%、ADIAが16.5%となっている。オリックスが予定通りの出資となると第2位になる。

 

 保有再エネ電力については、インド国営機関や州電力公社など向けに平均20年超の長期売電契約(PPA)を確保しており、高い成長性と安定的な収益基盤を構築しているとされる。Greenkoは、太陽光や風力発電電力を既存電力会社に売電するだけではなく、再エネ電源と揚水発電を組み合わせて、天候による影響を受けずに火力発電所などと同等のコストで再エネ由来の電力を供給するIREP事業を展開している。

 

 再エネ由来電力の調達ニーズが高い州電力公社のほか、RE100やネット・ゼロ・カーボンなどを掲げる環境意識の高いインドの国内企業向けの「再エネ電力」の直売が増大している。

 

 インドの再エネ市場は、再エネの発電コストが、既存の系統からの電力のコストと同等かそれ以下になるグリッド・パリティをすでに実現している。設備コストの低下と太陽光も風力も、ともに自然条件が発電に適しており、火力発電と比較しても再エネはコスト優位性を確保できているという。

 

 またモディ政権は再エネ促進を「国策」として力を入れている。2020年の想定再エネ導入量113GWに対して、2022年までの再エネ導入目標を175GWに設定している。Bloomberg NEFによる予測では、2030年の設備容量は389GWと、今後もインドの再エネ市場のさらなる拡大すると期待されている。

 

 オリックスは、2016年に共同出資によってインドの風力発電事業(設備容量計873MW)に参入し、2019年に同事業を100%化している。今回この事業をGrreenkoに移管する。インド以外でも、2017年には米国の上場地熱発電事業会社であるOrmat Technologies, Incに出資し、現在は21.5%を保有するなど、海外の再エネ事業に力を入れてきた。国内でも太陽光発電の設備容量は合計約1GWに達しており、風力、地熱などにも展開を強化する方針という。

https://www.orix.co.jp/grp/company/newsroom/newsrelease/200911_ORIXJ.html

https://www.greenkogroup.com/assets/Investor%20pdf’s/Greenko_ORIX_press_release_2020.pdf