HOME10.電力・エネルギー |JR東日本、2050年の温室効果ガス排出量ネットゼロに向け、自営火力発電所の脱炭素化推進へ。首都圏鉄道の主要電源である川崎発電所を2040年代めどに水素発電、CCUSへ転換(各紙) |

JR東日本、2050年の温室効果ガス排出量ネットゼロに向け、自営火力発電所の脱炭素化推進へ。首都圏鉄道の主要電源である川崎発電所を2040年代めどに水素発電、CCUSへ転換(各紙)

2020-11-10 13:49:16

JRhigashiキャプチャ

 

 各紙の報道によると、JR東日本は2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロ目標に向けて、首都圏鉄道の主力電源である川崎発電所(川崎市川崎区)を2040年代をめどに、水素混焼やCO2分離・利用・回収(CCUS)技術を取り入れて、カーボンニュートラル化する方針という。同社の自営発電設備は2019年度で消費電力量の約37%をまかなっており、ネットゼロ達成にはこうした自営火力発電所の脱炭素化が不可欠と判断している。

 

 (写真は、JR東日本の川崎発電所)

 

 日刊工業新聞が伝えた。JR東日本の川崎発電所は現在、都市ガスと液化天然ガス(LNG)を燃料としており、出力20万kW級のコンバインドサイクル発電設備を4系列もつ。現在は1号機の「脱炭素化」を推進中で、2021年度中には稼働する予定としている。

 

 JR東日本はこうした自営火力の脱炭素化に向けて、採用可能な技術導入の検討を始めている。有力技術として、CO2フリー水素とCCUSが選択肢となっている。水素を大量調達できるようであれば、まず水素発電化を有力な選択肢とする。CCUSについては、現時点でも技術的には可能だが、分離・回収設備のコスト面の課題がカギとなっている。したがって同制度の普及動向をみながら利用を検討する方針。

 

 また現在の火力発電の燃料である天然ガスの採掘から発電時の燃焼までに発生するCO2排出量を、オフセットするためのクレジット購入等の利用も視野に入れているという。4系列の設備を7~8年程度の頻度で1系列ずつ「脱炭素」に転換していく予定。更新時点での最適技術を導入してCO2排出量の削減を図る。

 

 一方、 JR東の消費電力量のうち、約25%は再エネ電力で占める。自営水力発電所の信濃川発電所(新潟県十日町市、小千谷市)は老朽化が進んでいたので更新に伴い、機能強化に踏み切った。また東北地方等では大規模風力発電の開発も進めている。発電電力は現在は、固定価格買取制度(FIT)で売電しているが、FIT終了後は自家消費に転用して、2050年度には再エネ比率を50~60%にまで高める見通し。

 

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00577741?isReadConfirmed=true

https://www.jreast.co.jp/eco/#long-targets