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電源開発(Jパワー)、2030年の温室効果ガス排出量40%削減。カーボンリサイクルや原発活用を柱に。再エネ発電は洋上風力中心で約1割増にとどまる。(RIEF)

2021-03-01 16:38:53

Jpowerキャプチャ

 

 電源開発(Jパワー)は2050年CO2排出量実質ゼロに向けて、中間目標となる2030年の排出量削減を40%とすると発表した。同時に石炭火力発電所による発電量も同量(40%)削減する。その削減分の代替措置としては、カーボン回収使用貯留(CCUS)や石炭ガス化等によるカーボンリサイクルと、再生可能エネルギーの活用のほか、建設中の大間原子力発電所(青森県大間町)の稼働を想定している。「石炭から原発」への移行が柱のようだ。

 

 Jパワーが公表したのは「J-Power “Blue Mission Plan”」。2030年40%削減達成の手段として、①CO2フリー水素エネルギー②CO2フリー発電③電力ネットワークの3分野を提示。石炭火力発電については、既存の老朽化発電所の順次閉鎖と、バイオマスやアンモニア燃焼等への転換を進めるとしている。

 

 現在のJパワー全体のCO2排出量は年約4600万㌧とされる。今回の計画ではこれを、2030年までに1900万㌧分を削減し、2700万㌧前後にする計画だ。

 

 このうち①については、既存火力発電所へのガス化炉を追加することで天然ガス燃料からの水素エネルギー活用を進める。水素エネルギーについては火力発電燃料とするほか、他の産業への販売も進めるとしている。再エネ電源から水素を製造する「グリーン水素」については言及がない。

 

 ②のCO2フリー発電は、再エネと原発を両軸とする。再エネについては、洋上風 力を含む新規開発を促進し、2025年度を⽬標に2017年度比で1GW規模の新規開発を進めるとしている。ただ、現行の9.5GW(グローバルベース)から10.5GWへ1割増にとどまる。新規開発に占める国内分については明示していない。

 

 一方の原子力については、大間原発計画の推進を掲げている。同原発は2008年着工で、出力138万3000kWの改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)。燃料に濃縮ウランのほか、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)の活用することで、使用済核燃料廃棄物の減少にも役立つとされている。しかし、安全審査の長期化で現在、4度目の工事延期中で運転開始時期も28年度ごろとされるが、明確なメドは立っていない。

 

https://www.jpower.co.jp/news_release/pdf/news210226_4-2.pdf

https://www.jpower.co.jp/bs/nuclear/construction/pdf/schedule2103.pdf