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「安全確保は国の最優先課題」~英国エネルギー大臣が、新規原発なしでの温暖化目標達成を明言(Bloomberg)

2011-04-12 14:39:07

英DECCエネルギー大臣のヘンドリー氏
Bloomgbergの報道によると、英国のエネルギー気候変動省(DECC)の副大臣であるチャールズ・ヘンドリー氏は4月10日、英国で電力会社が現在計画中の10基の新規原発建設が、日本の東電福島原発事故で難しくなったことを認めた上で、「温暖化対策の排出削減には、困難を伴うが、我々は原発無しでも削減目標を達成することができる。コストはかかるが、我々のトップ・プライオリティー(最優先課題)は安全性にある」と述べた。

英国は現在、原発を19基運転中で、発電に占めるシェアは20.5%となっている。これらの原発のうちガス炉については、1970年~80年代に建設したものなので、今後10年の間に廃炉にして、新規に10基を建設する計画を立てている。ヘンドリー氏はこうした原発のリプレースが、困難になってきたことと、石炭火力発電所も今後10年間に多くが閉鎖を予定していることなどもあって、発電力と、温暖化対策の温室効果ガスの排出削減目標の達成との間で、ギャップが生じる、と認めた。

しかし、こうした状況下でも、排出削減は可能だと明言した。風力発電や太陽光発電などの代替エネルギー発電は、発電コストが高くなるが、へんどりー氏は「これはチャレンジで、我々はまだそれが達成できる段階には至っていないが、我々にはそれができる。たとえコストが高くついても、国民の安全を守ることが最優先課題であるからだ」と語った。

ヘンドリー氏は、福島原発の事故が起きた数日後の段階では、「英国は新規原発の建設に、強い意欲を持っている」と発言していた。

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英DECCエネルギー大臣のヘンドリー氏

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