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北海道電力、カーボンニュートラル目標設定。「2050年ネットゼロ」に向け、30年度の非化石電源比率60%に。大半は泊原発再稼働「頼み」。石炭火力は維持、再エネは限定的(RIEF)

2021-03-19 22:38:52

tomariキャプチャ

 

 北海道電力は19日、2050年までに発電部門のCO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル目標を発表した。2030年度に非化石電源比率を60%にまで高めることで、CO2排出量を半減させるとしている。ただ、削減見込みの大半は、現在、停止している泊原発(北海道泊村)の稼働を前提としており、実現性が不透明との声も上がっている。

 

 (写真は、北電が「頼み」とする泊原発)

 

 北電が公表した2030年度非化石電源60%削減は、2013年度の同10%台を大きく上回る。非化石電源の大半は原発で、再生可能エネルギー、水力の比率は明示されていないが、13年度ほぼ変わらない10%台とみられる。残りの40%は、LNG、石炭の火力発電に引き続き依存する。

 

 カーボンニュートラルへの道筋の大半を占める原発(泊原発)の再稼働は、発電所敷地内の断層の活断層評価が焦点となっており、地元の反対運動は根強い。北電は「電源側のCO2排出削減に向けて原子力が果たすべき役割は大きいと考えており、当社は、安全性の確 保を大前提とした泊発電所の早期再稼働に総力を挙げて取り組んでいる」と説明する。

 

北電のカーボン・ニュートラル構想
北電のカーボン・ニュートラル構想

 

 原発以外では、再エネ発電事業を道内外で展開し、2030年度までに再エネ電源について30万kW以上の増加を目指すとしている。洋上風力については石狩湾で事業化を推進する「グリーンパワーインベス トメント(GPI)」と2019年に連携協 定を結んで、力を入れていくとしている。水力発電では、未利用水資源を活用する中小水力の開発や、高効率水車の導入等を進める。

 

 しかし、火力発電については、主力の苫東厚真火力発電所(厚真町)やLNG火力の石狩湾新港発電所(小樽市)は環境負荷を減らす技術を検討するとしているが、廃止せず、基本的に維持する予定。

 

 熱・電力の需要サイドの改革では、消費者への電化やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)な どの提案を推進し、特に北海道特有の冬季の暖房需要の電化を進めるとしている。また、CO2フリー電気から製造した水素等の活用に向けた 検討を進める。

https://wwwc.hepco.co.jp/hepcowwwsite/info/info2020/__icsFiles/afieldfile/2021/03/19/210319a_1.pdf