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東電福島第一原発、安定まで6~9か月。工程表発表。台風対策は大丈夫か?

2011-04-17 21:25:09

 新聞各紙が報道するように、東京電力は17日、福島第一原子力発電所の事故収束に向けた作業計画をまとめた工程表を発表した。以下に読売新聞を引用するが、この6~9か月の間に、毎年恒例の台風や集中豪雨が被災地周辺を襲った場合への備えについて、十分な表記がない。テレビで見る限り、そうした質問もなかった気がする。聞きもらしたのだろうか。

 読売の報道によると、原子炉格納容器を水で満たす「水棺(すいかん)」処理や原子炉建屋をテント状に覆う応急措置などを行い、放出している放射性物質の量を大幅に低減し、安定した状態を取り戻すまでの期間を6~9か月と設定した。

 発表を受けて海江田経済産業相は同日、「6~9か月後を目標に一部地域で帰宅が可能か否か知らせたい」と述べ、周辺住民の避難生活の長期化は避けられないとの見通しを示した。

 工程表では、放射線量が再び増えることのない落ち着いた状態にする「ステップ1」と、放射線量をさらに大幅に減らす「ステップ2」の2期に分けた。「1」は今から約3か月後、「2」は6~9か月後の完了を目指す。各ステップで、「原子炉や核燃料貯蔵プールの冷却機能回復」「放射性物質による汚染の対策」「放射線量の監視や除染」の3課題について具体的な目標を設定した。

 FGWの懸念は、原子炉建屋をテント状のもので覆うというが、その強度はどうか。台風や集中豪雨で破損したりしないか、そもそも、強風時に放射性物質の飛散を防ぐ措置を講じようとしているのか、集中豪雨で汚染水が海はおろか周辺に拡散しないのだろうか。梅雨までに2か月ほどしかないことも気になる。

 時間との勝負である。現場を鼓舞するだけでなく、現場を労り、現場を最重視する姿勢が必要だ。この危機は、霞が関、永田町、内幸町に巣食う無能で無責任な似非エリートたちの手では打開できない。日本の未来を想い、現場で粘り強く闘い、渾身の知恵を絞って、原発と向き合う無名の男たち(女性もいるかもしれない)の手に委ねられている。