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東芝が福島原発用の汚染水処理装置 放射性物質62種を除去、9月から運転(各紙)

2012-07-24 22:31:24

原発の汚染水の放射性物質の除去に使われる東芝の新装置=24日、横浜市鶴見区
各紙の報道によると、東芝は24日、東京電力福島第1原発に建設が予定されている放射性物質の汚染水処理装置「多核種除去設備(アルプス)」を公開した。同装置は、原発事故で発生した放射能汚染水から、最大で62種類の放射性物質を除去できる性能を持つという。9月から現地で試験運転を行ったのち、年内には本格運用に入る予定。

原発の汚染水の放射性物質の除去に使われる東芝の新装置=24日、横浜市鶴見区




 開発された新装置は、放射能汚染水から重金属やカルシウムなどを除去する前処理設備と、活性炭や樹脂などの特殊な吸着剤で放射性物質を除去する後処理の「吸着塔」で構成する。福島第1原発では、現在、セシウムを取り除く東芝製の処理装置が稼働中。今回の東芝開発の「アルプス」は、残留するストロンチウムやヨウ素など62種類の放射性物質を除去、法定濃度以下まで引き下げることができる。

 同装置の1日当たりの処理能力は500トン。同原発の敷地内には約20万トンの汚染水があるが、新装置をフル稼働させれば、約400日でこれらの滞留汚染水を正常に処理できる。使用済み後の樹脂は、専用容器で保管する。東芝は今年2月に東電から受注し、3月から製造を開始している。6月からは、同原発内での取り付け作業に移行している。

 新設備のアルプスは、米放射性廃棄物処理事業大手のエナジーソリューションが開発した設計技術が主になっている。これらを元に、東芝が最終的に製品として仕上げた。福島第1原発の事故の収束対策では、原発周辺の放射線量の低下が求められており、東電は新設備のアルプスもフルに活用して、同第一原発の廃炉に向けた作業を促す。