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空き巣横行 捜査進まず 福島・警戒区域7市町で63件(河北新報)悪い日本人は 霞が関や永田町以外にもいるようだ

2011-06-15 15:10:47

福島第1原発事故で立ち入り禁止になった警戒区域(原発から20キロ圏)への一時帰宅で、次々と発覚した空き巣の捜査がなかなか進まない。避難者が一時帰宅で訪れても滞在は2時間だけ。被害者に立ち会ってもらう実況見分まで手が回らないためだ。福島県警は今後、実況見分を行いたい意向だが、実現の見通しは立たない。
 福島県大熊町で酒店を営む男性(62)は4日の一時帰宅で自宅兼店舗に戻り、がくぜんとした。ジュースやたばこの自動販売機は扉が開けられ、鍵が投げ捨てられたまま。容疑者は店の天窓を破って侵入したとみられ、レジや金庫が荒らされていた。
 3月12日に避難して以来、ほぼ3カ月ぶりの帰宅で目の当たりにした惨状。男性は「全部やられた」とうめいた。被害額は数十万円に上った。
 県警によると、一時帰宅で明らかになった被害は、6月14日現在で田村、大熊、浪江、双葉、楢葉、富岡、南相馬の7市町で計63件。
 3月12日に多くの住民が避難した大熊町(19件)や富岡町(14件)の被害が目立つ。4月22日の警戒区域設定まで出入りが可能だった南相馬市は1件で、葛尾村や川内村は申告がなかった。
 盗まれたのは現金や貴金属が主で、タンスや仏像などもあった。県警は「行方不明者の捜索で警察官を巡回させる余裕がなかった震災直後に、集中してやられたようだ」と分析する。
 窃盗事件では通常、警察官が被害状況などを聞き取って被害届を作成。本人の立ち会いを求め、実況見分を行う。一時帰宅には警察官も同行しているが、自宅滞在は2時間に限られ、その場で被害届を作るのは難しい。
 県警は、被害額が計数億円に上るコンビニエンスストアなどの現金自動預払機(ATM)の窃盗被害に限り、警戒区域でも関係者を立ち会わせて捜査している。数の多い空き巣被害を実況見分するための一時立ち入りはまだ実現していない。
 工具などを盗まれた田村市の男性(50)は「容疑者を捕まえてほしいが、捜査してもらえないなら意味がない」と被害を申告しなかった。
 県警災害警備本部は「犯罪者の逃げ得は許さない。小さな被害でも届け出てほしい」と話している。