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復興構想に「脱原発」 福島県復興ビジョン検討委員会 姿勢明示へ(河北新報)

2011-06-16 13:29:52

福島県復興ビジョン検討委員会は15日、復興計画の前提となる復興ビジョンに「脱原発」の文言を盛り込み、原子力に依存しない持続可能な社会への転換を目指す姿勢を打ち出した。7月初めに基本理念と主な施策を盛り込むビジョン素案をまとめ、県民から意見を募った上で、7月末に佐藤雄平知事が正式決定する。
 同日県庁であった第5回会合で委員10人の意見が一致した。福島第1原発事故の収束の兆しが見えない中、3項目の基本理念の筆頭に「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を提示。政策的には「『脱原発』という考え方」に立ち、自然エネルギーの飛躍的な推進、省エネ、リサイクルの強化を目指す。
 座長の鈴木浩福島大名誉教授は閉会後の取材に対し「スタンスを明確にしないと福島の復興は始まらない。(県として東京電力に強く廃炉を求める)意思を表明した。世界に発信し、事故収束に向けた英知を福島に結集させたい」と語った。
 復興ビジョンは、具体的な施策を盛り込む復興計画(計画期間10年)の方向性を示す。原発事故収束の見通しが立たず、完全な脱原発を目指すかどうかで、委員の間にはこれまで温度差があった。
 県はビジョンを踏まえ、12月末をめどに復興計画を策定。2012年度予算に反映させる。