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福島県鮫川村 除染農業系廃棄物の焼却実証施設建設 決定先送り 説明会を継続へ(各紙) 

2013-02-25 10:49:12

鮫川村の焼却炉・処分場造成工事現場
鮫川村の焼却炉・処分場造成工事現場
鮫川村の焼却炉・処分場造成工事現場


環境省が指定放射能廃棄物を含む農業系副産物の放射性廃棄物の焼却実証実験施設を、福島県鮫川村青生野地域に建設を目指している問題で、同村の大楽勝弘村長は地元住民向けの説明会の場で、「農業復興のために除染は欠かせない」とする一方で、「今後も住民に理解を求めていく」と語った。当面は計画を承認せず、住民理解を得るための説明会を継続する考えを示した。
説明会は冒頭以外、非公開だった。終了後、大楽村長は同施設建設への説明が不十分だったとした上で、あらためて「住民の理解が得られなければ稼働させない。粘り強く理解を求めていきたい」と述べた。環境省の山本昌宏廃棄物対策課長は焼却施設の運用上の緊急対策マニュアルはほぼ完成していると説明した。ただ、説明会には約70人の地元住民らが出席。その中からは、健康や放射性物質の拡散を懸念する質問が出たという。説明会は23日に、同村の青生野集落センターで開いた。

焼却施設の建設計画は、8000Bq/kg以上という指定放射性廃棄物28tを含む農林業系副産物の放射性廃棄物、総量600tを平成25年2月から平成26年9月まで焼却できる実証実験施設を建設するもの。建設工事は昨年11月から始まったが、現在は中断している。施設は1日1・5トンの処理能力を持つ。実験の結果を踏まえて、本格稼働の展望を得る見通し。
説明会を非公開としたことに大楽村長は「地域住民の本音が聞きたかった」と語った。施設建設をめぐっては、青生野地区の住民代表らが12日、村に事業の白紙撤回を求める要望書と、地区内72戸のうち、48戸分の署名を提出した。署名には地権者9戸も含まれている。